理系な僕の本の愛し方
こんばんは〜。今週もお疲れ様でした!
土日はお休みです♪
さて、今回は、向井湘吾 著、
理系な僕の本の愛し方、です。
極端な理系男子、桐生蒼太が何故か文芸編集部に異動になった。数値化されない曖昧な世界、頑固な上司、クレーマー作家に翻弄されながらも本を売るために奮闘する、お仕事小説。
世の中理系、文系ではっきり分かれるわけではありませんが、数学科の主人公はまさに理系のイメージ。曖昧な表現を苦手としたり、数字、数式そのものに美しさや魅力を感じるタイプ。
そんな彼が、なんとか理系であることを生かして文芸の世界でやっていくぞ!という、お話なのですが、
文系色の強い編集者たちからは、彼の数字を駆使したプレゼンを受け入れられず、理解しようとすらしない。
だって文系だもん!数字わかんないもん!と反発してくれるならまだしも軽くあしらわれて「郷に入っては郷に従え」という雰囲気。
かくいう主人公も、最初はだって理系だもん!文芸なんかわかんないもん!という感じで(もちろんこんなに直接的な表現ではないですが)、文芸のなんたるかを理解しようともせずただ自分の得意分野で戦おうとしていましたが、
クレーマー作家や頑固な上司とぶつかったり、同僚とともに立ち向かう中で、数字では表せない、曖昧なものにも意識を向けられるようになっていきます。
感想としては、主人公が「理系だから」という設定はそんなに必要だったかなぁ、という感じでした。
今時数字や統計を使ってプレゼンすることに関しては理系とか文系とか言ってる場合じゃないし、
人の気持ちがわからず、そのせいで大学時代に彼女にふられてしまったり、同僚も怒らせてしまったり、というのも理系だからじゃなくて主人公がそういう性格だったからじゃないかな、と思います。
文系だって人の気持ちがわかんなかったり空気が読めなかったりする人、いますよね。
そもそも、数字に強い=理系、数字が苦手=文系ではないので、、
上司たちが統計を使ったプレゼンをよしとしないのはどちらかというと「今までそんなもんは必要なかった」という新しいものへの拒絶でしかないんですよね。
文体はサクサクと軽く読めてそれなりに面白くはあったのですが、「理系だから」云々の設定は、わたしには余計な感じがしてしまいました。
主人公はおいといて、私はどちらかというと、出版業界の裏話的な部分が気になりました。
やっぱり紙の本は売れにくくなってるんだろうな。
本の帯にびっしりと書かれた書店員さんのコメントから、この本が売れますように!という必死な思いが伝わってくるような気がして、なんだか複雑な気持ちになります。
都会の本屋さんも潰れてしまったり、店内に本だけじゃなくて雑貨を置いたり、私たちが大好きな業界の危機が感じられますよね。
ネットで本を買うのもいいけど、やっぱり紙の本を本屋さんで買うぞ。。。!と思いました。
そんな感じ。
今回は結構さらっと書いてしまいました。おすすめ度は、うーん、5点中3点!ですかね。
理系うんぬんの設定のない編集者さんのお話のほうが読みたかったかな?と思いました。
そういうお話があれば、誰か教えてください☆
それではおやすみなさい💤