ゴールデンスランバー
こんにちは☺️珍しく明るい時間にブログ記事を書いてます!
おやすみはいいですね!ただこれから家族が家に来るので、更新自体は何時になるのかわかりませんが。。。
さて、まりあの伊坂祭り、8作目は、ゴールデンスランバーです。
前回の記事であげた、モダンタイムスのあとがきや解説に、
この小説はゴールデンスランバーと同時期に書かれた作品で、対比が云々、とあったので、
これはもしや連続で読んだ方がいいのかしら、という気持ちになったわけですね。
今回の祭りの10作品はすでに購入、手元にある状態ですので、中にゴールデンスランバーが入っていてよかったです。
●あらすじ●
主人公・青柳は運送会社を3ヶ月前に辞めたばかり。次の職を探しているだけの、一般人だったのだが。
ある日首相が出身地である仙台でパレードを行った。護衛がつき、テレビカメラや観衆が注目する中で
ヘリコプター型のラジコンが首相に近づき爆発、殺害されたのだ。
その日から一転、本人の知らぬ間に青柳が犯人に仕立て上げられ、無実を訴えながらの逃亡生活が始まった。
なぜ彼なのか?そして、彼は巨大で無慈悲な陰謀から、逃げ切れるのか。
ということで、主人公の逃亡生活を描くだけで600ページ超え*の長編です。(*文庫本で)
第一部から五部までの構成になっていますが、「事件」と銘打った第四部だけで500ページを占めています。
前述した、モダンタイムスとの対比が云々、というのは、
モダンタイムスが手掛かりを掴みながら真相にグングン近づいていくのと比較して、
ゴールデンスランバーは基本的に逃げているだけ!というところです。
こう書いてしまうと、なんだか面白くなさそうに感じると思いますが、
そこは伊坂幸太郎、安心して、安定して、逃げているだけなのに、面白い。
600ページというのも、長くて敬遠してしまう人もいるかもしれませんが、
読んでいる間は、特に半分を過ぎたあたりからは怒涛の展開で、
あぁ、まだ300ページ分も逃げられるのか!すごいな!とワクワクしました。
私はもともとどちらかというとすぐ終わってしまう短編集は寂しいな、と感じる方なので
このくらい長い方が嬉しいかも、と思ったりしました。
ただ、電子書籍だと「本の厚み」が感じられない分、残りの分量が分からず気が遠くなってしまいそうなのでそこは注意ですね。
さて、今回も気になったところのピックアップ、感想を少しだけ。
●「私は3歳と339ヶ月。合コンでよく使うからね、これ」
これはなんと1ページ目。自分の年齢を友人が教えてくれるのですが、これはめんどくさい。
計算するのがめんどくさいから有耶無耶にできそうですけど、年齢くらい普通に教えてくれ。
ちなみにちょうどコレを読んだ日の朝に、私は自分の年齢を間違っていたことに気づきました。
もうすっかり満28歳のつもりだったんですけど、まだ誕生日が来ていないので27歳でした。
私は1年も間違って覚えていたのに、この人は1ヶ月単位で覚えてるんだよな、と思うと尊敬にも値しますけど。
ちょっと私としてはタイムリーだったので突っかかりました。笑
●こいつが人を殺す可能性がゼロだとは思わないんだ。何かそうせざるを得ない状況が来ないとも限らない。だろ?
ただ、痴漢ってのはどう理屈をこねても、許されないだろうが。
痴漢せざるを得ない状況ってのが、俺には思いつかないからな。
まさか、子供を守るために、痴漢しました、なんてことはねぇだろ。
た、確かに〜!と思いました。
まぁ伊坂作品には仕事でなんとも思わずに人を殺す殺し屋も、サイコパスも出てくるから、
そうせざるを得なくて殺人しているわけじゃない人も多いけど笑
止むを得ず痴漢するっていうのは、なさそうですもんね。
でもじゃあ、なんで痴漢をしてしまう人はいなくならないんでしょうな。
ねぇねぇ、どういう気持ち?なんでなんで?って聞いてみたいですよね。
私は電車通勤をしたことがないので、そういった目にはあったことも見たこともないけど。。。
そこにお尻があったから、みたいなことなんでしょうか。。。
●実はですね、当時私も取材させていただいたのですが、パッと見は好青年で非常に爽やかなんですけどね、
時折、落ち着かない仕草を見せていたんですよ
コレは主人公が、以前配達の仕事中に偶然男に襲われていたアイドルを助けて一躍有名になったことを踏まえて、
今回首相暗殺の容疑者としてワイドショーに取り上げられている時のリポーターのセリフです。
以前は手放しで英雄として褒め称えていたくせに、掌返しです。
無実の主人公を容疑者として報道した挙句、勝手に評価しています。
こういうことって、世の中に本当にありふれていますよね。
普段の日常会話でもついつい憶測で噂話をしてしまうし、テレビでは容疑者、というだけで
誹謗中傷してもいい、みたいな。
いいところを褒められるならまだしも、憶測で悪く言われるなんて、いやだな。
気づかず私も、やっているんだろうなと思うと、ドキドキします。
「流浪の月」を思い出しながら、気をつけよう。。。と思いました。
さて、気になったところはこんな感じでした。
全体的には、いつも通り、あの伏線が、こんなところで!という伊坂マジックが披露されていて面白かったし、
逃走中は基本的に一人だけど、本当の自分をわかってくれている人たちに助けてもらいながら話が進んでいくところが、
人ごとながら嬉しくて、心があったまりました。
途中で主人公が誰も信じられなくなるんじゃないか、と思っていたんですけど、
最後まで誰かを信じて行動していて、そういうところが今回事件に巻き込まれてしまう原因だったんじゃないかな、
と思いつつも、そういうところが協力してくれる人を惹きつける主人公の魅力でもあったんだろうなと思いました。
私には、、、そんな信じてくれる友達はいないから、、、とちょっと焦ってみたり笑
ということで、今回はこんなところで☺️
また次の作品で〜👋