騙し絵の牙
こんにちは!まりあです!
なんと2ヶ月サボってしまいました。読書垢作って満足してしまったパターン!
本は読んでいたんですけど、、、🥺
今回は久々に書いてみよっかな、という気になったので早速書いていきます。
今回読んだのはこちら!
騙し絵の牙 塩田武士 著
赤い表紙に大泉洋さんが目を引き、前々から気になっていました。
10月のKADOKAWAのキャンペーンがあったので、それを契機にえいやっと購入したものですが、
正直言って大当たり!めちゃくちゃおもしろかったです🥰
●内容紹介●
小説の主人公に大泉洋さんを「あてがき」して描かれた作品。主人公は小説が大好きなカルチャー誌の編集者。
舞台は紙の本が売れず次々と雑誌が廃刊になる、そんな暗雲立ち込める出版業界。
まさに大泉さんを思い浮かべてしまうようなユーモアとウィットに富んだ話術で世渡りをしてきた主人公だったが、
ついに主人公の雑誌にも廃刊の危機が迫る。あの手この手で雑誌と小説家を守ろうとするがその道のりは険しい。。。
編集者として有能な男を描きつつ、その力を持ってしても抗えない出版業界の厳しさをひしひし感じさせるストーリーに、
一小説好きとして考えさせられる物語。
●感想●
①著者と書影について
さて、まずは塩田武士さんについてですが、このかたの作品は今回初めて読みました。
現在映画が公開されている「罪の声」を本屋さんで見かけた時から気になってはいたのですが、
書影が暗いしなんとなく怖そう〜と思って手を出さずにいました。
実際に起こった事件を元ネタにしているところもなんだかとっつきにくい。
それが今回は大泉さんが表紙にいるだけで、なんとなく面白そう〜と思ってしまいました。
書影って大事です。書影がなんとなく気にいらないために読むのを見送っている本は結構あるかも。。。
人は見た目で70%第一印象が決まるとかなんとか、そのようなことを聞いたことはありますが、
本もそうじゃないかと私は思います。書影は一次審査。
手に取らないとクルッと裏返してあらすじを読むこともない。
逆に気に入ったらあらすじを読まなくったって書影を決めてにしてポイっと買ってしまうこともあります。
特に読んだことのない作者さんはなんとなく怖いから、一次審査を通過できなければ、そのまま合格することもなく
二次審査にも進まない、といった感じですね。
今回塩田さんの作品に対するハードルは下がったので、いずれは罪の声も読んでみたい。。。気もする。
あ!あと余談ですが、他の文庫に比べて厚めの紙が使われています。なんでだろう?
ちょっといつもの角川文庫のページのめくり心地と違って新鮮でした。よい触り心地〜!
店頭で見かけたら皆さんもちょっとめくるだけめくってみてください😎
そして買ってください😎
②主人公と大泉さんについて
大泉さんって面白いですよね。飄々とした雰囲気と、小粋なトーク。
一人暮らしを初めてから4年くらい、テレビを見てないので最近活躍している様子は見てないんですけど笑
でも書影と映画化の広告を見る限りはきっと同様に活躍されているんだろうな〜と思いました。
この作品は前述の通り大泉さんを当てがきして描かれており、セリフや仕草の描写ひとつとっても
大泉さんの飄々とした雰囲気が存分に感じられて実際に大泉さんが演じたらこんな感じだろうなとついつい脳内再生してしまいます。
私は小説がドラマ化・映画化したときに、そのキャストのイメージで原作を読むのはあまり好きではありません。
なぜなら、キャストというのは監督の好みだったり、その時の人気だったりといろんな要素で選ばれるため、
作者の意向は必ずしも反映されない、どころか一切含まれないことの方が多いからです。
メディア化は、作者以外の第三者が介入している時点でイコール原作になることは絶対にない。
その点、今回は作者が大泉さんを思い浮かべながら、大泉さんが演じることを前提に描かれている作品なので、
こちらも安心して、というか納得して、大泉さんのイメージで読むことができる。
これがなんだか新鮮で、もともとの大泉さんのもつ雰囲気も手伝ってめちゃくちゃ面白い、魅力的な主人公を作り上げています。
来年映画が公開されるようなので、私が読んで想像していた大泉さんが見られるのか、はたまた大泉さんの味付けで全然見え方が変わってくるのか?という「答え合わせ」ができるのも楽しみです。
③出版業界の現状とこれからについて
作品の前半ではいかに主人公が敏腕編集長として活躍しているのか、いかに世渡りして功績を築き上げてきたかが
描かれ明るく華やかな雰囲気で、こちらも明るい気持ちで読むことができます。
チート主人公が無双するお話って読んでて安心!そんな感じです。
しかし、出版業界にフォーカスを当ててみると。
紙の本が売れない。単行本が売れず文庫化もされない。文芸誌も売れないので廃刊になり、小説の連載枠も減る一方。
自身の雑誌の廃刊の危機に主人公が焦っている以上に、出版業界の先行きが不安で焦る私。
やばい。雑誌は毎月増えてかさばるのが嫌でdマガジン派だけど、買ったほうがいいかな!?
文芸誌も買ったことないな!買ってみようかな!?
単行本も高いけど!買わないと!!!?
感化されやすい私は今後もさらに出版業界にお金を落とそうと思いましたが、
でも私の力だけでは高が知れているよな〜とも思います。
意外と変わらないと思っていた日常って、簡単に変わるんだ、と最近思うことが多いです。
消費税だっていつの間にか10%になってるし、コンビニでレジ袋は無料でもらえないし。
そう考えると、本屋さんがなくなったり、紙の本が今みたいに手に入らなかったり、そういう未来が
来てしまう可能性もあるわけで。
普通に享受している今を、どうやったら守れるんだろうか?
むむむ。よくわからないので、やっぱり私が個人的にお金を落とすことから始めるしかないか。
文芸誌に手を出すのを検討してみようかな。。。あとdマガジンをやめてダヴィンチの購入。。。
もしこのブログを読んで下さったかたの中に文芸誌毎月購入してるよーって方は
おすすめを教えてください🥰
よろしくお願いします。
④感想まとめ
なんとなく買った小説でしたが、面白かったし、出版業界の現状を知ることができてよかったと思います。
社会派小説というのは今まで馴染みがありませんでしたが勉強になりますね。
ただ、「今」の問題点を主軸に進む物語なだけあってタイミングを逃すと時代遅れになる可能性もあって、
難しいジャンルの小説だなと感じました。
出版業界に限らず、5年、10年後はどうなっているかわかりませんから。
今年読んだ中でも面白さは上位だと感じたので、おすすめ度は★4つです。
特に小説・本が好きな人、大泉洋さんが好きな人、映画を見ようかな〜と思っている人におすすめです!
それでは今回はこれにて!
今後も読んだら更新する、つもりで頑張っていきますのでどうぞよろしくお願いします☺️