本を読むとすぐに感化される人の読書記録

読んだ本の記録がなんとなく誰かの目に触れてほしい気がする。

屍人荘の殺人

こんばんは!楽しい土日はあっと言う間にすぎていきましたが、1冊読み終えたのでまたまたブログ更新です。

こんなに本ばかり読んでいていいのだろうかと不安になってきましたが、、、ま!いいか!

 

さて、今回は今村昌弘著、屍人荘の殺人です。

去年の冬くらいに神木隆之介さんが主演の映画がやっていて、なんとなく面白そうだったので選びました。

ダブルカバーで映画仕様になっていました。もともとの書影があまり好きじゃなくて今まで手を出さなかったので、結構嬉しい。

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メインの登場人物は神木隆之介さんのほかに2人。

俳優さんのイメージがついてから本を読むのは好きではないのですが、

テレビを見ないおかげで神木さん以外はよく知らないからイメージがつくことなく読めました。

中村倫也さんは結構人気な方みたいなのでファンの方には申し訳ないですが)

 

さてさて、あらすじです。

大学生の葉村譲と明智恭介は大のミステリ好き。明智をホームズ役に、葉村はワトソンとしてあらゆるところに首を突っ込んでいた。曰く付きの映画研究会の夏合宿にも参加することになったが、その合宿1日目の夜に思わぬ事態に巻き込まれ、合宿所である『紫湛荘』に閉じ込められることになった主人公たち。一夜あけてまた一転、なんと参加者の一人が死体と発見される。極限状態での連続殺人が開幕!

果たして主人公たちは事件を解決し無事に日常に戻ることができるのか。。。。。?

 

 

という話です。今回はいろんな人におススメしたいので、頑張ってネタバレなしで魅力をお伝えできればと思います!

 

メインの登場人物は『ミステリ愛好会』として2人で活動する葉村、明智、あとはもう一人、美人な探偵少女の剣崎比留子。

夏合宿はもともと部屋の数の関係で、限られた映画研究会のメンバーしか参加できなかったため、2人は首を突っ込もうにも参加を断られていたのですが、彼女の根回しのおかげで参加できるようになりました。

なんでも夏合宿について脅迫状が届いたため、映画研究会メンバーの多くが参加をキャンセルし、急に頭数が必要になったとのこと。実は男女の出会いの場としての役割もある合宿であり、特に女性の参加者が必要であることを聞きつけた剣崎は、葉村と明智の参加を条件に参加することにしたのだ。

なぜ剣崎がそこまでして葉村と明智に近づいたのか?

それも物語の中盤で語られるためここでは内緒にしておきます。

 

では私が面白かったな、と思ったポイントをご紹介します。

①クローズド・サークルが犯人の思惑とは関係なく成立している!

クローズドサークルというのは、外界とは接触・交流を絶たれた場所で数人が閉じ込められて起こる事件。

例えば吹雪とか嵐など天候が悪く逃げ出せない!ネットや電話も通じない!という状況。

嵐はともかく、吹雪に関しては冬の雪山のペンションに集まれば閉じ込められることは予想がつくし、

電話については犯人が意図的に電話線を切ったり帰るためには絶対に通らなければいけない橋を切り落としたり、

『数日間誰も出られない、助けを呼ぶことができない環境』は犯人が積極的に作る、あるいはその状況を想定していることが多い。

そしてそのような環境で殺人事件が起こることで、この数人の中に犯人がいるんだ!と疑心暗鬼になるのですが、

犯人自身は自分が犯人なので多くの場合は自分の命に危険が迫っているとは思っていないでしょう。

(ただし、疑心暗鬼になった全然犯人じゃなかった人が自分以外全員を皆殺しにし始める場合を除く)

しかし、この物語のすごいところは、予想していなかった出来事のために外に出られず、電話やネットが使えない環境がいつのまにか出来上がり、さらに犯人の命でさえも危ない状況である!というところ。

王道ミステリにこの要素が加わるとこんなに面白くなるんだ、とびっくりしました。

 

ちなみに、この要素については映画の予告編を見てもバッチリ隠されています。

映画の感想をちらっと検索してみましたが、『こんなはずじゃなかった!騙された!』という意見も少なからずありました。

たしかに何も知らずに映画館で見るのは人によってはきつい要素も\あったかもしれないのですが、原作がこの要素をあらすじに書かずに隠しているので、やっぱり映画もネタバレするわけにはいかなかったんでしょう。私としても予告動画でこの要素について触れていなくて本当に良かったと思いました。

ミステリでのネタバレは悪!!!!

 

②登場人物の消し方が絶妙。

あらすじに連続殺人事件と書いてありますから、次々に人が消える、という点は書いてもネタバレにはならないですよね?

この物語でもびっくりするくらい登場人物が次々と姿を消すわけですが、順番もなかなかびっくりします。

お?!その人!そういう感じで!?もう消しちゃう?と思いました。

連続殺人事件とか、次々と人が姿を消していく系は『次は誰がいなくなるんだろな』と予想しますよね。

私は結構序盤でお気に入りのキャラがいなくなるんですけど、これはお気に入りになるかならないかのうちにいなくなってしまいました。

多分もうすこし生き延びてくれたら気に入ってたと思うんだけどな。。。

この感じはダンガンロンパを思い出しますね。。。。ダンガンロンパはすごく好きで、1・2・絶対絶望少女・V3全てやりましたが、V3は結構最後まで好きなキャラが生き残っててくれて嬉しかったなぁ。

ダンガンロンパが好きな方は結構この作品も気にいるかもしれませんね。

 

③。。。と思ったけどこれ以上はネタバレせずに語るのは無理そう。

正直②も書きすぎかな?と思ったくらい。

やっぱりこの物語は前情報なしで出会ってほしいです!

 

ここからは余談になります。

映画についてですが、登場人物の設定が謎に変更されているみたい。

作家が一つ一つのトリックを仕込むために一人一人作り上げた登場人物の設定を変えるのはどうかな、と私は思います。

なんの思惑があって変えるのかは知りませんが、その変更必要だった??

と、最近小説→映画化にはちょっと不満があるのですが、小説・漫画→アニメに関してもきっと同じですよね。

私はアニメはよく見るのですが、原作はあまり確認しないタイプです。

今まであまり気にしていなかったけどアニメも、原作を勝手に変えて作られてるものがいっぱいあるんだろうな、と複雑な気持ち。

 

あ!でもアニメにするにあたり原作と違うエピソードを加えているのにも関わらず評価されているものもあります。

HUNTER×HUNTERのフジテレビ版。

レオリオとの出逢いとか、ハンター試験の一部の軍艦島とか。原作と違うのにめちゃくちゃ好きです。もう一回見たい。

 

ネタバレしないようにすると話がそれがちですね。私の好きなゲームとアニメも便乗して紹介してしまいました笑

それではまた、明日から頑張ろう〜