本を読むとすぐに感化される人の読書記録

読んだ本の記録がなんとなく誰かの目に触れてほしい気がする。

ザリガニの鳴くところ

こんばんは〜!3連休が終わりそうだけど全然悲しくないまりあです!

なんと言っても、また3日仕事に行けば3連休がくるんですよ〜!

嬉しい☺️毎週こんな感じでお願いしま〜す♡

 

はい、この3連休で読んだのは「ザリガニの鳴くところ」

ディーリア・オーエンズ著、友廣純訳です。

 

ザリガニの鳴くところ、、、、ザリガニが鳴くの!?と引き付けられるタイトルですね。

原文のタイトルはWhere the Crawdads Singだそうです。

Singって鳴くっていう意味もあるんですね。今回に関しては歌うと訳してしまっても大間違いではなさそうな感じ、、、?

 

●あらすじ●

主人公は「湿地の少女」と呼ばれる女の子、カイア。幼い頃は両親と兄弟の7人暮らしだったが、

仕事もせず家族に暴力をふるう父親に耐えられなくなった母親を始めとして兄弟も一人、また一人と

カイアを残して家を去っていった。幼く行く当てもないカイアは父と二人過ごすことになったのだが、

ついには父もいなくなって本当の独りぼっちになってしまった。

ずっとずっと一人で生きてきた彼女のそばにいつもいてくれたのは、湿地の生物たちだけ。

人間は裏切る。自然は裏切らない。

泥だらけになってなけなしの金を得て、やっとのことで生き残り、ようやく何かを掴みかけた彼女にかけられたのは、

村の青年の殺人容疑。。。。??

 

 

ということで、一人の少女に焦点を当て、彼女の人生を描いた物語、

+ミステリ要素もある小説です。

 

読み終わった感想としては、全体的に彼女の行動から目を離せず、いつの間にか応援してしまい、

次はどうなだろう、と気になる感じで面白かった。

手に汗握る!ほどのハラハラ感、スピード感はないけど。

普通だったらもっとうまくやれるのに、と思いそうなところも、

幼い頃に文字の読み書きもお金の計算もできないうちに一人ぼっちになってしまったんだから仕方ないよな、

と甘めの視点で彼女の成長を陰ながら見守って応援してしまう、よくわからない立場で読んでいました。

殺人容疑がかけられてからは特に、先が気になってどんどん読んでしまいました。

 

ただ、この本、こういう帯が付いていて↓

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結構泣かされるお話なのかな、とか、バッドエンドなのかな、と腹を括って読みましたが、

そんなことはなかったです。

私は結構涙脆い方で、特にお別れ、とか大切な人が死んじゃう、とか

登場人物がものすごく理不尽な目にあって悔しい、とかで安易に泣くんですけど、

泣かせようとしてくる山場?みたいなものは特別にはありませんでした。

カイアが理不尽な目にあっているのは作中ずーっとだったし、なんならカイアが必死に、一生懸命にもがいて、

生きるために逃げている時に私が泣いている暇はありませんでした。

右から2番目の祈るように読んでいた、のはちょっとわかりましたが、

右端と、左端はあまりピンとくるコメントではないですね。

特に左端の終わりが、もう、あの、ページを破って燃やしたいっていうのはどういう意味なんだろう。。。

人の感じ方はそれぞれ、ということで、この帯はあんまり見ないで読んだ方が良かったかなと思いました。

 

 

さて、もう少しこの小説に付いて突っ込んでいきましょう。

著者のディーリア・オーエンズは動物学者であり、もともとはノンフィクションの著書や研究論文を発表されている方。

現在はグリズリーや狼の保護、湿地の保全活動を行っている、とのこと。

この小説はフィクション、つまりはじめての小説だそうです。

湿地の保全活動、というあたりがこの小説、そしてカイアの生き方に大いに反映されています。

ただ、カイアはただ単純に育った環境が湿地であり、

生活にかけがえのない存在、というところからきている湿地への愛、という描かれ方のように感じました。

イメージとしてはもののけ姫のサン、といった感じでしょうか。

著者の自然への想いをうまく彼女の湿地への想いにすり替えていたと思います。

 

 

また、自然と人間の対比、という大きなスケールで考えさせられる部分もありました。

例えば、父親が家族に暴力を振るうことや、貧富の差で蔑む村の人々たちの理不尽な態度、と言った人間的な残酷さと、

交尾の時にオスをムシャムシャと食べるカマキリや、オスを騙して呼び寄せてこれまたムシャムシャと食べる蛍などの自然界の残酷さ。

前者は少なくともカイアにとって絶対的に悪であるのに対して、

後者は「生命維持に必要だからこそ行われることなのだ」、と善悪の存在しない自然の摂理として納得させられるものである。

どちらの残酷さも身近に感じていたカイアの思考にどちらがどれだけ影響を与えていたのかがすごく気になりました。

例えばカイアが生きるために貝を掘り起こしたり魚を釣ったりすることは後者であるのは間違いないと思うけれど。

彼女のあの時の思考は、あの行動は? 善悪の関わる人間の仕業だったのか、善悪の存在しない生命活動だったのか。。。

 

 

えっと、ここまで書いてきてきましたが、この小説を読んでいない方には

なんのこっちゃ、だと思うんですよね。

でも読んでもらえればなんとなく、分かってもらえると思うんです。。。!

読んだ方とディスカッションしたい!

誰か読んだ方がいらっしゃったら教えてください🙇‍♀️

 

最後に恒例?のおすすめ度は、★4かな?

なんだか久々に自分以外の人生を体験したな、という感じ。

カイアが理不尽な環境でも力強く、ただし逃げるところはうまく逃げて生き延びる物語は

今の自分では到底体験できないので、こういうのを読書体験っていうのかな?と思ったし、興味深かったです。

ただ、ミステリというジャンルにおいてはフーダニットは大いに納得させられたけど、

そのほかの解説はほとんどなかったので、ミステリを求めて読むとちょっと物足りなくなります。

 

 

はぁ。今回もネタバレなしで書くのが難しかったなぁ。。。

というか、伊坂作品はヒョイっと引用してもあんまりネタばれにならないように書くことができていたので

いかに、伊坂作品が数行の言い回しで考えさせたり、心を掴んだりしてきたかがよくわかりました。

今回は海外文学だったので著者の表現をそのまま受け取ることができなくて、

そういう観点からヒョイっと抜き出すのが難しかったのかなぁ。

ということで?今回もよくわかんない記事でしたが最後までお付き合いいただきありがとうございました!!

明日から3日間、お仕事頑張るぞー!☺️