麦本三歩の好きなもの
本日2回目の更新です。
先週読み終えていたのに記事を書いていない本があったのです。
今回は 住野よる 著
「麦本三歩の好きなもの」
住野よる氏の本は2作目の記事になります。
前回の「また、同じ夢を見ていた」
で住野よる氏の本に抵抗がなくなって、
そして今作、選んだ理由は!
カバーが可愛くて。。。。!
ハードカバーの単行本に、イラストバージョンと実写化バージョンの2枚ついてるんです〜!↓
読む前から内容のゆるさそのものを表しているような気がして、
こういうゆるいのもいいかなー!って買ってみました。
風邪をひいてお仕事をお休みした日に読んだんですが、ぴったりでしたよ〜
あらすじとしては。
麦本三歩という図書館司書の女性が主人公。「麦本三歩は◯◯が好き」というタイトルで、短編集のように麦本三歩という女性の人となりをゆるく描いた作品。
麦本三歩は、◯◯が好き、というタイトルからは芯のしっかりして、主張の強い、これだけはゆずれない!!!みたいな女性をイメージするかもしれませんが、どちらかというと自分に自信がなくて、日々なんとなく過ごしていて、「これが好きなんだよなぁ〜!」という感じです。
この作品の好きなところ、嫌いなところがあったので、紹介します。
まずは、うーん、こういう時ってネガティブな方から言ったほうがいいのかな。
後味的な!?
ということで嫌いな所から発表します!
嫌いなところは、麦本三歩がほかの登場人物を愛称でしか呼ばないところ。しかも形容詞。
先輩3人に対して、「優しい先輩」「おかしな先輩」「怖い先輩」。
冒頭ですら実名を発表せず、形容詞で自分がどう感じたか、自分に対する態度でしか読者に伝えない。
怖い先輩に至っては、三歩が小さな失敗を何度も何度もしなければ怒らない。
作品の中ではおかしな先輩も、三歩に対して「何回怒られても同じミスするとことか、変な思考回路で行動して迷惑かけるところとか、あといつもぼーっとしている」と評価しており、今まで「三歩だから許されてきた場面もある」と言っています。
完全に三歩が悪くて怒られてるのに、「怖い先輩」。
確かに誰にでも怖い相手、苦手な相手はいるでしょう。私もいます。
でもそれでその人の名前を蔑ろにしていいということにはならないと思うんです。
この作品で「麦本三歩」という主人公だけを目立たせたかった、というとは十分わかります。でも冒頭でチラッとだけでいい、苗字だけでも載せることはできなかったのでしょうか。
名前の大切さは、千と千尋の神隠しでもテーマになっていたと思います。
名前を奪われてしまった千やハクは湯婆婆の言いなりになってしまいます。
三歩は怖い先輩の名前を決して読者に伝えないことで、怖い先輩である、というイメージを読者に押し付けてきている。
怖い先輩は怖い先輩としてしか生きられないのです。
ということで、三歩というよりは作者への批判になってしまうのかもしれませんが、主人公以外の名前を一切つけないところがこの作品では嫌いでした。
さてさて、好きなところは
ゆるーい作風ですね。
自分に自信ないなとか、失敗が多いとか、変なこと考えたりとか、ちゃんと準備してきたけど仕事行きたくないなとか。どこにでもいそうな人、それが麦本三歩。
ネガティブなことも考えつつ、生活の中で、あ、これが好きだなとか、
小さな幸せを見つけていく感じ。
出勤前に大好きなチーズ蒸しパンを食べる、そのために布団から出てくる。
「好きなものがたくさんあるから、布団だけと添い遂げるなんてもったいないから今日も職場に行くことにする。そう思えば、今日これからがなんだか楽しみになってきた。」
何度も言いますが
風邪で休んでいた時に読んだらぴったりでした。
実は、もし今回風邪をひかなかったらしばらく休みがなかったはずなんですよね。先に心のほうがやばかったので、正直熱が上がってくれて嬉しかったなぁ。
一度休んで、麦本三歩で心もゆるくして、今は少しいい感じ?
もうちょっとで夏休みもあるし。
まぁ、毎日をやり過ごすだけで精一杯なのは変わらないんだけど。。。
ということで、ちょっと毎日に疲れ気味な人におすすめ、なゆるーいお話でした。
ではまた。