本を読むとすぐに感化される人の読書記録

読んだ本の記録がなんとなく誰かの目に触れてほしい気がする。

さすらい猫ノアの伝説

こんばんは⭐️

読書の秋🍁!というよりもう寒くて冬です。春が待ち遠しいですね。。。

今回は「さすらい猫ノアの伝説」重松清 著 です。

 

重松清も今回初めて読みます。中学受験?高校受験?の文章題で「重力ピエロ」のほんの一部を読んだくらいです。

 

それではあらすじです。

舞台はとある小学校。首に風呂敷を巻いた黒猫が突然現れる。その風呂敷の中には手紙が入っており、その中身はこうだ。「おめでとうございます!あなたのクラスはノアに選ばれました。ノアはきっと、あなたたちのクラスが忘れてしまった大切なことを思い出させてくれるはずです。」ノアは主人公たちにヒントを与えながら大切なことを思い出させ、全てが解決するとまた次の小学校へ旅立っていく。。。

 

この本にはノアが活躍する2つのお話が収録されています。

<1話目>小学生の健太が数学の授業を受けていると、突然ノアが現れる。健太のクラス担任はケガのためにお休み中。その間、由子先生という臨時の先生が担任となった。由子先生は教壇の上に立つとアガッて真っ赤になり、授業は失敗ばかり。次第にクラスメイト達は由子先生をやめさせよう!という気持ちになってくる。頑張っている由子先生をなんとか助けたい健太たちは、ノアに助けられながら大切なものを思い出し、由子先生を応援する、というお話。

<2話>転勤族の父と一緒に東京から田舎の小学校に転校した宏美。もう何度も転校を繰り返しており、自分は転校のプロと思っていたが、今回はなかなかクラスに溶け込めない。ある日体力テストの徒競走でクラスで2位のタイムを出した宏美は、その後の運動会のリレーのメンバー争いに巻き込まれてしまい、ますますクラス内で孤立する。争いの最中、父の転勤が決まり、なんと運動会の前日に引越しすることに。これで運動会に出られずリレーのメンバー争いの問題も一件落着。。。でも本当にそれでいいのかな??ノアがまたまた大活躍のお話。

 

2つとも最終的にクラスメイトと一致団結することで解決!という感じ。読みやすく、わかりやすく、教育的。というのも、元々はどちらも小学生向けに書いた物語を講談社文庫に収録したものなので、主人公たちに対して読者も「お友達目線」で読むのがちょうどいいのかもしれないと思いました。

 

かといって内容が稚拙、というわけではなく20代で読んでも問題なく、時には考えさせられる部分もあります。

今回の感想は2つです。

①小学生は小学生で大変なんだよね。

②父親と娘ってどこの家庭でもこういう関係なのかな?

 

まずは①から。小学生って学校にいって15時くらいには帰ってきて放課後遊んで、20代の自分から見ると、楽でいいよな、と思ってしまいます。

しかし、それは今の自分の体格とか考え方とか知識とかある前提のこと。さらに、大人って人間関係が面倒くさいなと思うけど、小学生だってそれなりに面倒くさいことを思い出しました。

ヒエラルキーっていうものがあったな、そういえば。。。という感じ。収録されてる2つのお話どちらにも、ヒエラルキーの高い女の子が出てきて、自分の意見を通そうとする場面があります。

私の小学生時代には、そんな誰からも一目おかれ恐れられるような絶対的な一番上の女子はいなかったけど、ちょっとチャラついているスカートの短い女子はやっぱりイケテナイ女子や男子の上な感じはありましたね。私は成績でそれなりに先生からも同年代からも一目置かれていたし、チャラついている女子達にも適度に不真面目に会話してやり過ごしてきたけど、成績が良くなかったら大変だったなと思います。

祖母が食べろ食べろというから毎日お腹いっぱい食べてふとっていたし、メガネをかけていて容姿もイケてなかったし、運動も好きじゃないし走るのも遅いし。テレビのニュースでいじめによる自殺!とか流れるたびに、私は虐められなくてよかったなぁと思ってました。

あーめんどくさい!!思い出した!!笑

もう戻りたくないですね。戻って上手くやれる気がしない。

そんな感じで、小学生は小学生で大変。いろんな体力を使いますよね。まぁ体育が一番疲れるけど、人間関係だって大人ばりに、時には大人よりも面倒くさいことになりますよね。

将来子どもができたら、いじめの加害者にも被害者にもならないように育ててあげられるでしょうか。まずはデブにもヤセにもならないような食事にしてあげないと!!不安だなぁ。。。

 

②について。2話目の主人公は「薙刀を習いたい」と両親に話すことになります。今まで転勤族だったために、部活動や習い事をしたいと言ったことがなかったし、今回も本当にやりたいわけでなく薙刀の道場に弟子入りする話の流れで仕方なく許可を取る羽目になったわけですが、この時の父親の反応が、あーやっぱりお父さんってこうだよね、なんか的外れなんだよね笑っていう感じでした。

父の言い分はこうです。

薙刀ってオリンピックの競技にないよね?頑張ったらオリンピックに出られるやつがいいのでは?それにどうせ引越したら胴着とか薙刀とか買うの勿体なくない?だったら剣道とかの方がいいんじゃない?

とのこと。

うんうん、言いたいことはわかる、間違ってないし。でもそうじゃねぇのだ。

主人公、宏美はムッとしますが、この時の気持ちを説明する例えが秀逸でした。

「誰だってハヤシライスを食べたい時に、『こっちの方がメジャーだから』とカレーライスを出されたらムカつくはずだ」

わかりやすい!

怒られたわけではないけど、事情も知らずに父に頭ごなしに否定されイライラ。母のフォローも虚しく、父親の無神経さに我慢できず部屋に戻ってしまいます。

他のいろんなドラマとかでも「父の悪気ない無神経さ」って娘の気持ちを逆撫でしますよね笑

娘だけじゃなくて息子の場合もあるし、妻の場合もありますけど、男性っそういう立ち位置になりがちですよね。フォローにまわるのは母親とか女性が多い気がする。謎の無神経さを持ち合わせているのはウチの父親だけじゃないんだな、世間一般の父親というのはこうなのかなと思い少し面白かったです。 

もちろん、思慮深く娘の繊細な気持ちを汲める素敵なお父さんもいると思いますけどね!!!

 

 

さてさて。うーん、感想書いてみたけど。。。ノアについての感想ないですね。この物語じゃなくても書けるような内容の感想になってしまいました笑

というか、最近小学生とか中学生とか学生が主人公のお話を読むと、自分の当時のことの他に、私が母親だったら。。。!とか考えるようになってしまった気がする。まだ全然子ども産む気配ないのに無駄に今から心配しています笑

もう若くはないのね、私、という感じ。

次は大人な物語を読もうかな。

それではまた!!