本を読むとすぐに感化される人の読書記録

読んだ本の記録がなんとなく誰かの目に触れてほしい気がする。

SOSの猿

こんばんは〜まりあです!

まりあの伊坂祭り、6月28日に始まり。。。7月28日に終わりました!

ヒュー!

 

ラストの10作品目は「SOSの猿」です。なんとなく直感で選びました。

●あらすじ●

かつて憧れだった女性の息子が引きこもりだ、と相談を受けた男、二郎。

イタリアで絵の修行をするはずが悪魔祓いという特殊な儀式を修行してきた二郎に、引きこもりを悪魔祓いで治して欲しいとの依頼だ。

なぜ、引きこもりの少年、眞人は引きこもりになってしまったのか?

一方、ある男、五十嵐は何百億もの損害を出した株の誤発注事件を調べていた。

なぜ、このような事件は起きてしまったのか?

そして現れる「孫悟空」。彼は一体何者なのか?

分からないことだらけの物語。そもそも答え、はあるのだろうか?

 

 

と、いう感じ?

正直言ってしまうと、よく分からなくてあらすじもうまくまとめられませんでした( ˘⊖˘) 。。。

解説でも、栗原さんという方が「また妙な小説を書いたものだな」と書いていらっしゃるので、

よく分からない😇と言い切っても恥ずかしくない小説なんだと思います。

伊坂祭りも最後だし、そろそろ伊坂幸太郎について語れるぜ★と思っていたのですが

まだまだのようです。スン。。。( ˘⊖˘) 

 

さて、気を取り直して、気になったところをピックアップしていこうと思います。

二十一世紀の今です。現代のイタリア。年間、数千人が悪魔祓いを求めているそうです。大体、二十年以上前は二十人くらいしかエクソシストがいなかったっていうから激増しているってことですよね。

 

悪魔祓いって、今でもあるものなのですね。なんとなく無意識にお話の中の職業?と思ってました。

日本での悪魔祓いは修験者や陰陽師にあたるようです。

悪魔=物の怪、なのかな。得体の知れないものにも和風と洋風があると考えると文化の違いって面白いなと思ってみたり笑

 

山田くんが、学校行かなくて、すごく楽しそうなら僕も気にしないけど、そんなに苛々して、顔色も良くないし。

やっぱり、それは今のままじゃ良くないってことじゃないの?

行かなくてもいいならもっと、楽しい毎日を送りなよ。

 

主人公の一人、二郎が中学生の頃に不登校の同級生に、別に学校には行きたくないなら、行かなくていいんじゃないの、

と声をかけた時のセリフです。

私も、そう思いますね。

まぁ、やっぱり学校には行けるなら行った方がいいんだと思います。

なぜなら、行かないことで、これでいいのだろうか、と不安になるのがめんどくさいからです。

人生よっぽどのことがない限り自分で食っていけるようになるまではレールに乗っているのが楽チンです。

例えばアイドルになったり、スポーツ選手になったり、そういう「学校生活じゃ伸ばせないスキル」が必要な場合は

無理して学校に行く必要はないですが、

大学進学が必要な職業につくんだったらとりあえず行くだけ行くに越したことはないですよね。

毎日学校が楽しくなくてもとりあえず行って帰ってくればいい。

土日や夏季休暇を楽しみになんとかやり過ごしていけばいい。

いじめとか、学校に敵がいる場合は別として、なんとく行きたくないな、程度ならなんとなく行ったらいい。

ただ、上記のセリフの通り、毎日毎日学校に行かずに楽しく過ごしているなら、それもまた人生。

未来の自分に頑張ってもらえばいい。

いつかは頑張らないといけない時がきます。

ちなみに私はあとで頑張るのがめんどくさいので早めに頑張るタイプです。老後に期待大☺️

 

 

●失敗した時、やってはいけないことをした時に人は、「恥ずかしい」と感じます。

そういう感情が人として、どうして必要だったのか、どうして根付いたのか、疑問だったんです。

 

た、確かに。この感情はひどく邪魔ですよね。

恥ずかしいと思うからこそ、隠そうとして、誰かが気づいた時には手遅れなこともたくさんありますよね。

ただえさえ悪いことが起こっているのに、悪循環。

自分のミスをミスとして認識して、悪いことが起こったなりに、そこから最善の手を尽くすことは難しいけど、

それが人を成長させたりするのでしょうか。

ちなみにここらへんを読んでいた時、私もミスを犯したばっかりだったのでいたたまれなくなりました。

今後はミスしないように気をつけようと思いましたが、ヒューマンエラーってどうしても起こってしまうものだし、

やっぱりそこに「恥ずかしい」の感情は邪魔だなぁ。。。

 

ただ、そもそも、人間の感情全てが何か理由があってできたものなのか、という疑問もありますね。

怒ったり、苛々したり、そういう感情から人間が得られるものはなんなのでしょうか。

スポーツとかだったら、次は負けないぞ!という闘志に変わるのかも知れませんが、

無用な争いを生み出すだけのような気もする。

悲しみはどうでしょうか?

悲しみを乗り越えて、強くなる、という物語は往々にしてあるわけですが

やっぱりできれば悲しい思いなんてしたくないなぁ。

悲しいという感情がなくなった時、人はどうなるのでしょう。

親が死んでも悲しくない、友人との別れを惜しまない。もしかして、人は独りぼっちになってしまうのでしょうか?

感情について、考え出したらなんだか大変なことになりそうですね。

 

すみません、あんなに大変なことをしでかしたくせに、こんな風に、平気な顔をしていて、食事も摂っちゃって。

いえ、自分の失敗に罪悪感は感じているんですよ。

失態に死んでしまいたいくらいの恥ずかしさを感じているんですよ、そんな勇気はないから無理ですけど、

自分が嫌で嫌でしょうがないです、嘘ではないです

 

前述の通りミスを犯したばかりの私にグサグサと刺さりました。

私も以前から決まっていた職場の飲み会に行き普通にお酒を飲んでしまいました。

まじで不思議ですよね。今でも罪悪感は感じるし、気を引き締めなきゃ、と思うんですけど、

この記事を書き終わったあと、アイスを食べる予感がします。

 

●それでいいんですよ。いつまでもくよくよしていればいいんですよ。天竺に行ったところで、くよくよは続きます。

 

人が困っているところにどうして首を突っ込んでしまう主人公。

首を突っ込んでも結局どうすることもできない無力さに押しつぶされそうになります。

そんな彼に何者かがささやくのです。不惑じゃないんだから、と。

 

人が困っているのを助けようとして、でも何にもできなくて、思い悩むことのできる主人公。

世の中こんな人ばっかりだったら平和なのにね。

 

ちなみに、私は「悩む」というのも一つの才能だと思っています。

このブログをよく読んでくださっている方は気付いていたかも知れませんが、

私は悩むのが非常に苦手です。めんどくさいからです。

数学の問題も行き詰まったら眠くなるし、進路も消去法。選択肢はバッサバッサと消し去り一つに絞る。

一つに絞れなかったらサイコロかあみだくじ、そして安心と信頼の直感。

 

ただ、たまに考えることがあります。

もっと悩んでいたら、あの数学の問題は答えに自力で辿り着けたのかも知れないし、

もしかしたら今の職業にはついていなかったんじゃないかな、って。

別に数学の問題が解けなくって死にゃしないし、悩んだ結果今の職業を選ぶ可能性もあるけど。

なので、くよくよしたり、悩んだりしたりしている人がたまに羨ましいこともあります。

え?まだまだ人生、選択を迫られる場面がたくさんあるって???

うーん。悩むことはこの先あるのでしょうか。悩む人生については、、、、来世に期待大☺️

 

 

ほい、まだまだ付箋を貼っているところはあるのですが、こんなところで。

全体的につかみどころがないし、突然の孫悟空に戸惑いましたが、考えさせられるところはいっぱいありました。

個人的にいつか再読したい課題本という感じです。

 

ちなみにこの小説はSARUという漫画と対になるものなんだそうです。

これは読んでみたら理解が深まるのでしょうか??読まないとですね?Kindleにあるかな??

 

ということで、1ヶ月間、伊坂作品だけ10作品を読む個人的なイベントが終了しました!

期間を決めていなかったので、もっと長くかかるのかと思いましたが、1ヶ月で10か。。。

もしかしてめちゃくちゃ読んだのでは?

後日改めて振り返りの記事をかければと思っています。

 

それではこれにて☺️

 

 

 

 

 

 

 

 

オー!ファーザー

こんにちは!4連休最終日、なんだかそわそわしてしまいます。

いつも連休中に思うことがあるのですが、土日を最後に持ってこられると、

その土日は「もはやただの土日」だよな、と感じます。

ということで、現在私の状況としては、「もはやただの日曜日の夕方」ということになりますね。

何が言いたいかっていうと、月曜日も休みたいです☺️

 

 

さて、まりあの伊坂作品、9作品目はオー!ファーザーです。

●あらすじ●

主人公の高校生、由紀夫には父親が4人もいる。

大学教授で博識な悟、荒っぽい中学校教諭の勲、女性好きの葵、ギャンブル好きの鷹。

誰が本当に血の繋がった父親なのかはわからない。

ただ紛れもない真実として、彼らは四人とも由紀夫の母の夫であり、

由紀夫の父親なのである。そんな個性的な四銃士に囲まれ、守られながらお送りする、日常と非日常の物語。

 

 

ハイ。第一印象として、今までの伊坂作品と比べてなんだかほっこり系!

父親が4人いるという特殊環境以外はほのぼのとした由紀夫と父親と、同級生の女子高生の掛け合いが繰り広げられます。

徐々に事件に巻き込まれて物騒なお話になるわけですが笑

それでもずーっと緊迫した状況にある、特にゴールデンスランバーやマリアビートルなどの殺し屋シリーズ、

死神の浮力といった作品と比べるとめちゃくちゃ平穏です。

ずーっと事件もいいけど、平穏な家族物語から入るこの作品もいいなぁ♪と思いました。

 

では今回も、気になったところのピックアップと感想を書いていきますね。

 

●いいか、女の子の前では自分の話ばかりするんじゃないぞ。相手の話をよく聞くんだ。

悩みを口にされても、絶対に、自分の意見をいうな。とことん相手の話を聞いて、

それは大変だね、と言ってあげればいい。聞きながらうなずくことも忘れるな

 

コレは女性好きお父さん、葵さんの言葉ですね。

まじでこれ、恋愛指南の本でよく書いてありますよね。実践できている人たちはそんなにいないけど。。。

私もこれはそうだと思いますよ。

話を聞いて欲しいだけ、または話を聞いてもらう口実に一緒にいたいだけ。

つまり相談ではなくただの世間話なのかもしれないし、もしくは愚痴を聞いてくれるサンドバック、

最後にもしかしたら、恋愛対象。

というか、性別関係なく、誰かと話をするということは普通はそうなのではないか、と書いているうちにそんな気がしてきました。

誰かが話をしているんだから、それを相槌を打ちながら聞く。

もしも意見を求められたら自分の考えを話す。恋愛の話じゃなくても、その人が気持ちよくお話してくれればいいのかも。

そして、相手のターンが終わったら、自分のターン。コミュニケーションって難しいですねぇ。

 

●「推奨なんてしない。一酸化炭素中毒なんて、もし万が一、死ねなかったら、重い障害が残る可能性が高い。

脳がやられて、大変なことになる。ひどいもんだ。リスクがありすぎる。

俺はだから、誰も彼もが練炭で自殺を図る勇気に驚いている。恐ろしい賭けだ。」

「死ぬ勇気はあるけど、生きる勇気はないのか」と勲が苦笑する。

 

私もそう思います。というか、死ぬ勇気があったら生きられそうな気がする。

どうせ死ぬなら、世間体を気にせず家でゴロゴロしていられる気がする。

死ぬ勇気があるなら、なんだってできそうな気がする。

仕事を辞めて、お前のせいで辞めるんだよばーか!と上司に言える気がする。

死ぬのはそれからで遅くないんじゃないかなぁと思うんですけど、

これはきっと今私が元気で健康だからなんだろうな、とも思います。

うつ病の時は重大な選択をしてはいけない」「死なないことを約束する」

精神科の先生が患者さんによく言うことですが、

うつ病と診断されていなくても、疲れたな、っと思った時は、やるべきは人生が変わるような選択ではなく、

ただお休みすることなんだろうな、と考えます。

 

ところで、何度もいうようですが、私が嫌いなことはめんどくさいこと、そして他人に迷惑をかけることです。

自殺の方法っていくつかあると思うし、一度具体的に考えたことがあるんですけど、

基本的に他人に迷惑をかけずに死ぬ方法ってなくないですか?

部屋で首をつったらお部屋を掃除してもらわないといけないし、山で首をつったり海に身を投げてもきっと大捜索されてしまう。

電車や車に轢かれるのもいろんな人に迷惑がかかるし。

そうやって迷惑がかからない方法を考えていると、結局考えるのがめんどくさくなって、

だったら生きている方がめんどくさくなくていいな、と思うわけです。

基本的に私が生きていても今の所迷惑はかけないし、迷惑かけないようにお金を貯めて、歳をとったら施設に入ります。

人生お金さえあればなんとかなると思っています。

 

あれ?一体なんの話だったんでしょうか笑

変な方向に走り出してしまったのでこの辺で終わっておきましょう。

 

さてさて、みなさんは4人の中でどのお父さんが一番好きだなと思いましたか?

私は、ちょっと迷いますけど、葵さんが一番好きだなと思いました。

まぁ、もしかしたらこの4人の中で1番「離婚」を選びそうな危うさもあるかもしれないけど

それがない前提だとしたら一番好きです。

一緒にいてなんだか楽しそうです、私が由紀夫だったら一緒にお姉さんに話かけに行きます。

本物の由紀夫は葵の血は流れていなさそうですけど笑

 

それでは、今回はこんな感じで!ラスト10作品目の記事でお会いしましょう〜★

 

 

ゴールデンスランバー

こんにちは☺️珍しく明るい時間にブログ記事を書いてます!

おやすみはいいですね!ただこれから家族が家に来るので、更新自体は何時になるのかわかりませんが。。。

 

さて、まりあの伊坂祭り、8作目は、ゴールデンスランバーです。

前回の記事であげた、モダンタイムスのあとがきや解説に、

この小説はゴールデンスランバーと同時期に書かれた作品で、対比が云々、とあったので、

これはもしや連続で読んだ方がいいのかしら、という気持ちになったわけですね。

今回の祭りの10作品はすでに購入、手元にある状態ですので、中にゴールデンスランバーが入っていてよかったです。

 

●あらすじ●

主人公・青柳は運送会社を3ヶ月前に辞めたばかり。次の職を探しているだけの、一般人だったのだが。

ある日首相が出身地である仙台でパレードを行った。護衛がつき、テレビカメラや観衆が注目する中で

ヘリコプター型のラジコンが首相に近づき爆発、殺害されたのだ。

その日から一転、本人の知らぬ間に青柳が犯人に仕立て上げられ、無実を訴えながらの逃亡生活が始まった。

なぜ彼なのか?そして、彼は巨大で無慈悲な陰謀から、逃げ切れるのか。

 

 

ということで、主人公の逃亡生活を描くだけで600ページ超え*の長編です。(*文庫本で)

第一部から五部までの構成になっていますが、「事件」と銘打った第四部だけで500ページを占めています。

前述した、モダンタイムスとの対比が云々、というのは、

モダンタイムスが手掛かりを掴みながら真相にグングン近づいていくのと比較して、

ゴールデンスランバーは基本的に逃げているだけ!というところです。

こう書いてしまうと、なんだか面白くなさそうに感じると思いますが、

そこは伊坂幸太郎、安心して、安定して、逃げているだけなのに、面白い。

600ページというのも、長くて敬遠してしまう人もいるかもしれませんが、

読んでいる間は、特に半分を過ぎたあたりからは怒涛の展開で、

あぁ、まだ300ページ分も逃げられるのか!すごいな!とワクワクしました。

 

私はもともとどちらかというとすぐ終わってしまう短編集は寂しいな、と感じる方なので

このくらい長い方が嬉しいかも、と思ったりしました。

ただ、電子書籍だと「本の厚み」が感じられない分、残りの分量が分からず気が遠くなってしまいそうなのでそこは注意ですね。

 

 

さて、今回も気になったところのピックアップ、感想を少しだけ。

「私は3歳と339ヶ月。合コンでよく使うからね、これ」

 

これはなんと1ページ目。自分の年齢を友人が教えてくれるのですが、これはめんどくさい。

計算するのがめんどくさいから有耶無耶にできそうですけど、年齢くらい普通に教えてくれ。

ちなみにちょうどコレを読んだ日の朝に、私は自分の年齢を間違っていたことに気づきました。

もうすっかり満28歳のつもりだったんですけど、まだ誕生日が来ていないので27歳でした。

私は1年も間違って覚えていたのに、この人は1ヶ月単位で覚えてるんだよな、と思うと尊敬にも値しますけど。

ちょっと私としてはタイムリーだったので突っかかりました。笑

 

●こいつが人を殺す可能性がゼロだとは思わないんだ。何かそうせざるを得ない状況が来ないとも限らない。だろ?

ただ、痴漢ってのはどう理屈をこねても、許されないだろうが。

痴漢せざるを得ない状況ってのが、俺には思いつかないからな。

まさか、子供を守るために、痴漢しました、なんてことはねぇだろ。

 

た、確かに〜!と思いました。

まぁ伊坂作品には仕事でなんとも思わずに人を殺す殺し屋も、サイコパスも出てくるから、

そうせざるを得なくて殺人しているわけじゃない人も多いけど笑

止むを得ず痴漢するっていうのは、なさそうですもんね。

でもじゃあ、なんで痴漢をしてしまう人はいなくならないんでしょうな。

ねぇねぇ、どういう気持ち?なんでなんで?って聞いてみたいですよね。

私は電車通勤をしたことがないので、そういった目にはあったことも見たこともないけど。。。

そこにお尻があったから、みたいなことなんでしょうか。。。

 

●実はですね、当時私も取材させていただいたのですが、パッと見は好青年で非常に爽やかなんですけどね、

時折、落ち着かない仕草を見せていたんですよ

 

コレは主人公が、以前配達の仕事中に偶然男に襲われていたアイドルを助けて一躍有名になったことを踏まえて、

今回首相暗殺の容疑者としてワイドショーに取り上げられている時のリポーターのセリフです。

以前は手放しで英雄として褒め称えていたくせに、掌返しです。

無実の主人公を容疑者として報道した挙句、勝手に評価しています。

こういうことって、世の中に本当にありふれていますよね。

普段の日常会話でもついつい憶測で噂話をしてしまうし、テレビでは容疑者、というだけで

誹謗中傷してもいい、みたいな。

いいところを褒められるならまだしも、憶測で悪く言われるなんて、いやだな。

気づかず私も、やっているんだろうなと思うと、ドキドキします。

「流浪の月」を思い出しながら、気をつけよう。。。と思いました。

 

 

さて、気になったところはこんな感じでした。

全体的には、いつも通り、あの伏線が、こんなところで!という伊坂マジックが披露されていて面白かったし、

逃走中は基本的に一人だけど、本当の自分をわかってくれている人たちに助けてもらいながら話が進んでいくところが、

人ごとながら嬉しくて、心があったまりました。

途中で主人公が誰も信じられなくなるんじゃないか、と思っていたんですけど、

最後まで誰かを信じて行動していて、そういうところが今回事件に巻き込まれてしまう原因だったんじゃないかな、

と思いつつも、そういうところが協力してくれる人を惹きつける主人公の魅力でもあったんだろうなと思いました。

私には、、、そんな信じてくれる友達はいないから、、、とちょっと焦ってみたり笑

 

ということで、今回はこんなところで☺️

また次の作品で〜👋

 

 

 

 

魔王/モダンタイムス

暑くなってきましたね。。。7月もあと10日ですもんね。。。

東京あたりよりは全然マシとは思っていても、バテそうです。アイス食べたい。。。

 

さて、まりあの伊坂祭り、今回は一気に⑥、⑦に関する記事になります。

早速あらすじです。

●あらすじ●

〜魔王〜

会社員の安藤はある日超能力に目覚める。自らが念じた言葉を他人の口から発することができるため、彼はこの能力を「腹話術」と呼んでいた。力を手に入れたことで少しづつ変わりつつ日常に、可能性を抱き始める。

あるカリスマ政治家によって大きく変わろうとしている日本に危機感を抱いていた安藤はこの力で流れを変えられるのでは?と考える。一方、安藤の弟にもある超能力が目覚めて、、、、

 

〜モダンタイムス〜

「魔王」の描く時代から50年後の世界。恐妻家で社畜システムエンジニア渡辺拓海はうっかり運命を感じた女性と浮気をし、それがあっさりと妻にバレる。その翌日、新たに会社から言い渡された謎の仕事。なんでも優秀な先輩が逃げ出してしまったとのことで、その後釜を任されてしまう。プログラムの秘密に気づき、暗号を解読して真相に近づいていくと、次々と後輩や上司がトラブルに巻き込まれていく!?謎だらけの仕事には何が隠されているのか?もしかしてアレもコレも妻の仕業?と疑心暗記になりながらも本当の真実にじわじわと近づいていく、勇気ある主人公の物語。

 

 

という感じです。

2つに共通するテーマは政治、そして勇気でしょうか?

魔王はカリスマ政治家によってファシズムを思わせる世の中の流れに危機感を覚える主人公のお話。

モダンタイムスでは新たなカリスマ政治家が台頭しており、その政治家が英雄となった契機となった事件が関係しています。

 

正直、魔王は政治の話が強くて、始終「まりあは政治がわからぬ。。。」と思いながら読んでいました。

まぁ政治がわからなくても、超能力を得た主人公たちがどうなるのか、という部分に注目すればなんとかなります笑

前半は安藤、後半はその弟のお話で、私は弟のお話の方が難しくなくて面白かったなぁ〜と思いました。

ちょっと前半は緊張感が強かったかな。

 

モダンタイムスはまったく違う主人公と登場人物のお話ですが、事件に巻き込まれて真相に近づいていく場面で

魔王のお話に関係してきます。

多分魔王を読んでいなくても、ちゃんとわかるようにはなってると思いますが、

絶対に魔王を読んでからの方がスムーズだし、面白いはずです。

なので、今回2作品セットで記事にしています。

 

それでは2つの作品を通して気になったところや感想を書いていきます!

 

●安藤、俺はもっと、闘う大人になる予定だったんだよな。対決してよ、世界を変えちゃうくらいのさ。

でもよ、この道をあと何年進もうと、恰好いい大人には辿りつかない気がするんだ

 

こちらは魔王の主人公である安藤の友人の言葉。

みなさんは小さい頃から漠然と、こんな大人になりたい、大人になったらこんなふうになっているんだろうな、と思っていませんでしたか?

小学生からみた中学生はカッコよく見えるのに、高校生から見た20歳は大人に見えるのに、

いざその年齢になっても全然カッコよくもない、大人になった気にならない。

自分たち、そして多くの人たちは、ただ時がすぎて、ただ流されていれば「かっこいい大人」にたどり着けると思っていたけれど、

このままあと何年進もうと、そこには辿りつかないし、世界なんて変えられない。

なんとなく共感したので付箋を貼りましたが、この言葉がのちの主人公を焚きつけ、

この後の展開に大きく関わってくる重要なフレーズと思いました。

 

●ごきげんよう、お久しぶり

 

今後ヤツの呼称として採用したいと思いました。

いや、ごきげんよくもないし、久しぶりどころか永久に会わない方がいいヤツなんですけどね。

ちなみに実家には以前いましたが、撲滅したんだと思います。最近はお久しぶりなので、多分。

 

 

●夫婦喧嘩一つでもさ、こうやって苛々したり、憂鬱になったりするでしょ。夫が浮気したとか、妻が家出したとか。そんな状況の時にさ、憲法の改正がどうとか、自衛隊はどうなるとか言われてもさ、正直、それどころじゃないよね。

世界の問題よりも、自分の問題だ。

 

読んでる時は「せやな、それな」ぐらいの軽い気持ちで付箋を貼ったはず。

大きな世界の問題を変えるのは大事なことなんだけど、まずは自分の目の前の問題。

この作品では「世界の問題について考えられるのは暇人」と言っています。

もしかしたら、確かに、本当に自分の小さな問題を簡単に解決できて余裕がある人もいるかもしれないけど、

本当は、自分の小さな目の前も解決したいけど、それは犠牲にして世界のことを考えてくれている人たちもいるかもしれないと私は思います。

政治家、とか。小さな規模でいったら学校の生徒会とか、学級委員長にあたるんじゃないかな。

あとは私の仕事で言ったら、臨床をやりながら研究もしている人たちとか。

目の前の患者さんも助けたいけど、新しい薬を開発するのも、大事。

どっちも大事なんだろうな。私はまだ、目の前のことで精一杯だなぁと思いました。

 

モダンタイムスにも、似たような部分があります。

「人間は大きな目的のために生きているんじゃない。もっと小さな目的のために生きている。」

大きな目的のために頑張ろうとするのも大切だけど、それができなくて挫折してしまったら、

まずは目の前の小さな目的を達成してみる、それも大事。

 

 

俺の小説が、過去に映画化されたのは知っているだろ。

なったんだよ。その時にだ、俺は痛感したね。小説にとって大事な部分ってのは、映画化された瞬間にことごとく抜け落ちていくんだ。

 

モダンタイムスには、主人公の友人として小説家が登場します。その名も、なんと、井坂好太郎!

おおー。この名前の由来は、この作品のあとがきに著者自ら説明があり、ただ名前を考えるのが億劫だっただけみたいですが。

ただ、ちょいちょい、著者の本音を出しているのでは?と邪推したくなる部分もありました。

上記部分もその一部です。モダンタイムスを著者が手掛けていた頃には、何作品か、映画化されているので、

おや、と思ってしまいました。

他の場面でも、「作家の真意は、三割ほどしか伝わらないものだからな」と書いてありました。

30点は平均点、50点は上出来だそうです。私も平均点くらいはとれていればいいんだけど、、、と思いました。。。。

 

●二度と会えないことほどやり切れないものはないよ。そう思わない?取り返しがつかないことだから

 

恐妻家の主人公、の、その妻のセリフ。私もお別れは嫌いです!

この奥さんは怖いし、普通の人とは感覚が違うところも多いけど、共感できるところもいっぱいありました。

結構今まで読んできた登場人物の中でも好きな方ですね。

「これもお別れの一種だよ」と美味しいデザートを食べ終わってしまったことを悲しむのも、共感できました。

(私はただの食いしん坊説)

 

さて、2つの作品を通してこんなところでしょうか。

モダンタイムスは最初、妻が邪魔だな、と思ってたんですけど、だんだん好きになってしまいました。

ちょっと、いや、かなりメンヘラ?これをメンヘラと呼ぶのかは不明だけど。

一途だし、意志が強いし、夫を痛めつけるのも守るのも彼女のさじ加減。

また他の作品でもお目にかかりたいなぁ。

 

それでは、私と皆様は、またお次の作品でお会いしましょう♪

 

 

ラッシュライフ

まりあの伊坂祭り、順番が前後しましたが四作目のラッシュライフの記事です!

もう読んでから一週間くらいあいてしまいました。。。読んだらすぐ書かないとダメですね!

 

それではラッシュライフについて書いていきましょう!

*あらすじ*

スマートな泥棒と、不倫中の精神科医と、リストラされた中年男と、父親が自殺した青年、恩人を裏切った画家。

見ず知らずの彼らが知らないうちに関わり、そして物語は進んでいく。

運んでいたはずの死体がいなくなる?

バラバラの死体が動き出す?

死んだはずの彼がテレビに映っている?

華麗に、軽率に、彼らの人生は激しく動き出し、突き進んでいく。。。

 

 

あらすじというか、キャッチコピーみたいになってしまいましたね笑

このお話は、最初にも書いた通り、泥棒や精神科医、中年男、青年、画家がそれぞれ変わるがわる語り手をつとめ、

それぞれの話が意外なところで接点を持ちながら進んでいくタイプのお話です。

一人一人の向かう先は全く違っていてそれぞれの話の展開が全く掴めないのに、

いつのまにか糸がするすると解けて一本になっていく感覚。

結末もスッキリと納得できて、私としてはまさに伊坂幸太郎!!って感じでした。

 

また、前作オーデュボンの祈りを思わせるようなエピソードが出てきたり、

今回出てきたキャラクターが今後もちょいちょいと活躍したりと、読めば読むほど嬉しくなっちゃう特典付き。

それが伊坂作品でございますね!

 

それでは今回も気になったところとか感想とか、なんでもかんでも書いていきます。

悩んでいる青山を、京子は楽しんでいた。身体は頑丈でありながら、子供染みて、臆病で、無知な人間が、京子には可愛らしかった。筋肉を備えた無知をなじり、自分の思うがままに従わせることが最高の快楽だった。

 

これは登場人物の一人、精神科医の女性が、不倫相手の男、青山に対して考えていることですね。

これから青山と一緒に、青山の奥さんを殺して結婚しよう、というところなんですが、、、、

り、理解ができぬ笑

今回はこの女性が、よく伊坂作品に出てくるサイコパス的な扱いの人なのかな?

少なくとも私が考えてた不倫相手、少なくとも結婚しようとしている人への評価とはかけ離れてますね笑

この男もこの女性のどこが良いんだ、、、?と思いながら読んでいました笑

 

俺はさっき泥棒のプロフェッショナルだといったよな。でもな、人生については誰もがアマチュアなんだよ、誰だって初参加なんだ。人生にプロフェッショナルがいるわけがない。まあ、時には自分が人生のプロであるかのような知った顔をしたやつもいるがね、とにかく実際は全員がアマチュアで、新人だ。はじめて試合にでた新人が、失敗して落ち込むなよ。

 

こちらはスマートな泥棒、黒澤の言葉。人生何回目かのようなお言葉ですね。。。

人生に失敗した、という友人にかける言葉としては本当にベストというか、なんだか救われるような気持ちになります。

そもそも、人生を失敗する、ということはどんな状態なのでしょうか。

きっと人それぞれなんだと思いますが、私の場合は、毎日ご飯を食べて、寝て、本を読めなくなる状態のことでしょうか?

少なくとも仕事を失う、できなくなることではない気がする。

今の仕事がもしできなくなったら?

それは、今までの人生で頑張ってきたことがなんだか無駄になった気がしてしまいますが、

少なくともゲームオーバーではないかな、と思います。

幸い今の所両親も生きていて仕事をしているし、妹もいるし、その気になればバイトもできそう。

そうすると、死はどうだ?と考えると、これはこれでまぁ仕方なければしょうがないですよね。

事故に遭ったり、病気になったり、寿命が来たり。それで死ぬのは仕方がない。

少なくとも、誰かのウラみを買ったり、通り魔にあったりして殺されるんでなきゃいいかな。

今の所、いつ死んでもいいように、毎日可愛いお洋服着てお化粧して出かけてるし。

あ、、、いつ死んでもいいように、と考えるのであれば毎日部屋は片付けて出掛けた方がいいのかな?笑

 

と、まぁこう考えると大抵のことはまぁいいか、ってなるような感じです。私って楽観的なのかな〜?

皆さんにとっての人生のゲームオーバーはなんでしょうか??

人生に行き詰まったら、考えてみると楽になるかもしれませんね!

 

 

さて、他のところにも付箋を貼ってあるのですが、ネタバレになりそうなところばっかりだったので、

こんなところでやめておきます。

今日の記事もなんのこっちゃ?って感じでしたね笑

 

それでは次の作品でお会いしましょ〜🤗

 

 

 

 

重力ピエロ

まりあの伊坂祭り!5冊目を読み終わりました!

(4冊目のラッシュライフは、この後時間があれば書きます。。。!)

 

今回は「重力ピエロ」になります。

*あらすじ*

最近起こっていた連続放火事件。関係のないはずだったそれが、主人公の勤めている会社にも起こった。

弟によると、連続放火事件のターゲットになるビルのそばにはいつも壁の落書き、

もといグラフィティアートが描かれているのだという。

願掛けが好きで、こだわりの強い弟と、癌を患い入院中の父と共に謎解きに乗り出してしまった主人公は、

次第に思いもよらない真実に迫ることになる。。。。

 

という感じです。一見シンプルなミステリーですが、今回はちょっと設定が重め。

冒頭でわかることであり、物語の主軸となるためこれを書かずしてはなにも語れないので書きますが、

弟の春は、主人公が幼い頃に母親が強姦されたときにできた子供であり、

父親の違う、血の繋がらない兄弟。

それを幼い頃は知らず仲良く成長し、その事実を知ってからも本物の兄弟に接しているものの、

春はその生い立ちのためか、人間の身勝手で不必要な性行為に対して人一倍嫌悪感を持つようになります。

そういった設定のため、今作は「性犯罪」や「家族との血のつながり」についてメッセージ性のある物語だったのではと思います。

 

では、今作を読んできなったところ、感想を書いていきます。

 

男が浮気性なのはきっと、いろいろな女性と性行為をしたいからだろうね。遺伝子的に言えば、いろいろな組み合わせで子孫を残した方が生き残る可能性は増えるから。バリエーションは多いほどいい。

 

皆さんは、浮気、をどう思いますか?

私はまだ結婚していないのですが、とりあえずパートナーが浮気することに関してはバレないようにしてくれればどちらでもいいですね。

マ、そういうこともあるんじゃないの?と思います。ただ離婚だのなんだのはめんどくさいのでやめて欲しいし、

浮気相手に子供ができてもかわいそうなんで、そこら辺はうまくやって欲しいですよね。

自分自身に関しては、バレないように嘘をつくのがめんどくさい。

嘘を一つついたら、嘘をついたことを覚えてないといけないし、その後も他の嘘をつかないといけなくなる。

こそこそ隠れるのもめんどくさいし。私の行動の基準は基本的にめんどくさいか、めんどくさくないかできまっているような気がする。

 

最近、ふと思ったのですが、なぜ人間は夫婦一人ずつと決まっているんでしょうね。一夫多妻制、にすると男女平等ではないので多夫多妻制にしたら、浮気という概念がなくなるし、そのせいで離婚することもなくなりますよね。シングルマザーも減るし。

あっ、でも遺産相続がめんどくさくなっちゃいますね。

 

とりあえず、性欲が強いことは生物学的に言えばまったく悪いことではない。では多夫多妻制度の取られていないこの世界で、浮気をしてもいいかどうか、というとそうではないですよね。

なんでダメかっていうと、そういう決まりで大体の人たちがそれを守って生きていて、それが守られないことで怒ったり、悲しんだりする人がいるからです。誰かを怒らせたり、悲しませたりすることがイイコトなはずがないと、私は思うんですよね。

だいたい、性欲が強い=子孫を残すために有利、というところが生物学的に正しいと言っているだけで、

浮気をした結果、子孫を残せているか?というとそうではないですよね。

子孫を残すどころか自分の遺伝子を持ったヤツらを何億も捨ててきて、そして大事な人を悲しませる。

強姦なんてのは言語道断、なんでダメかっていうと、アナタ以外誰も得をしないどころか他人に迷惑をかけるからです。

私の行動の基準は基本的に他人に迷惑をかけるか、かけないかでも、きまっているような気がする。

 

以上、なんのこっちゃ、という感じですが、生物学的に正しくても、ダメなことはダメなんだよ、というお話でした。

 

 

○遺伝子と教養のお話

今回、血のつながり、の話題とは別に、主人公の勤めている会社が遺伝子関係の仕事だったために

遺伝子のお話がたくさん出てきます。テロメアとか、ATGCとか、コドンとか、二重らせんとか。

これって高校生物で習うんでしたっけ?

私は高校生物だったので、すんなりお話に入りこめましたが、物理選択の人たちは大丈夫だったでしょうか。

あの説明で理解できるものなのかな?

 

そう言えば昨日、読書会で話し合った話題の中に、学校で習ったことは将来役に立つかどうか、というものがありました。

その時は微分積分とか全然覚えてないよね、みたいな感じでしたが、

小説を読むのに高校生物の知識が出てくるとは思いませんでした。

普通に生きていくぶんには全然必要のない知識が、小説の理解に役立つなんて。

 

あとは遺伝子の話の他にもちょいちょい、「走れメロス」だったり「カラマーゾフの兄弟」のように文学作品の話題が出てきます。

他の作品、例えばホワイトラビットのレ・ミゼラブルとかもそうです。

さすがに走れメロスは知っていたけど、カラマーゾフの兄弟はまだ読んだことがないんですよね。

きっと、先にカラマーゾフを読んでたら、理解の仕方がまたちょっと違ったんだろうな、と思うとなんだか悔しくなります。

もしかして伊坂祭りの前に古典的な有名どころの文学作品は読んでおくべきだったのかな!?

伊坂祭りが終わったら、他の積読を読みつつ古典作品もちょちょいと挟んでおこうと思いました。

 

以上、小説を読むのに学校の勉強や教養が役に立つぞ!というお話でした笑

 

 

さてさて、なんだかこのブログ、書評というより、ただ私が読みながら思ったことを書き流しているだけのような気がしてきました。

あレ?そもそも書評ブログだったんだっけ。感想かくブログだからいいのか?

とりあえず一般的な書評は他のブロガーさんや、YouTuberさんにお任せすることとして、

今後もこんな感じで書いていきたいです。

読者さんに需要があるかどうかは別として、書きたいことを書いていきますので、今後もよろしくお願いします★

オーデュボンの祈り

こんばんは!忙しくて貯めてしまいましたがまりあの伊坂祭り、続いています!

3冊目はオーデュボンの祈りです。

読み終わって4日ほど経ってしまっているんですがなんとか書いていこうと思います!

何事も善は急げ!

 

さて、あらすじを簡単に。

システムエンジニアの仕事をやめた伊藤は、何を思ったのかコンビニ強盗に挑戦してみたものの失敗する。

逃走中に気を失い、気がつくと『荻島』という知らない島に連れてこられていた。

「未来がわかる、喋るカカシ」である優午、悪い奴を殺しても罪を問われない「桜」などの奇妙な住人のいるその島は、

江戸時代以降外界とは遮断され、いわゆる鎖国状態であった。

島の言い伝えでは「島の外からやってきた人が島に足りないものを何かをもってくる」と言われており、

伊藤はそれが自分のことなのか、と思いながらも何が島に欠けているのか解らないでいた。

そんなある日、未来がわかるはずの優午がバラバラになって殺されている。

なぜ優午は自分が殺されることを知らなかったのか?知っていたとしたらなぜ事前に助けを求めなかったのか?

 

 

というお話です。

なんと、これが伊坂幸太郎のデビュー作品とのことですが、私が今まで読んだ中ではぶっちぎりでファンタジーです。

誰も知らない島があり、カカシが喋る。未来がなんでもわかる。

物語のゴールは、その未来がなんでもわかる優午の死についての真相究明ということになります。

 

では、ネタバレしないように今回も感想、気になったことを書いていこうと思います。

 

まずは、備忘録として、私の推理です。優午は殺されることを予知していたか?予知していたなら何故誰かに事前に助けを求めなかったのか?ということに関して。

ネタバレしないように、と言いながらこれを書いたらダメな気もするのですが。。。

 

優午は島の住人の友人であり、なんでも知っていることから頼りにされていました。殺人が起こると、優午に聞けば誰がやったかわかる。

ただし、これから誰かが殺されるのを防ぐわけではありませんでした。

未来のことはわかるけれども、絶対に教えない。どういうわけか優午は起こったことについたことは教えてくれても未来に関することは一切教えてくれません。教えてくれたら、その殺人が防げたかもしれないと知りながら。

私はこのことから、「フェアじゃない」と思ったのではないかと思いました。

他人の殺人を防ぐ気はないくせに、自分が殺されることに関して事前に守ってもらおうとするのは、ずるいと思ったのではないかと思いました。実際心優しい優午の性格から言っていい線ではないでしょうか?

というかもしかしてみんなそう思いませんでした?

違う!私の推理はこうだった!という方はぜひコメントで教えてくださいね♪

 

続いて伊藤の回想から、おばあちゃんのセリフ

人生ってのはエスカレーターでさ。自分は止まっていても、いつの間にか進んでるんだ。

乗った時から進んでいる。到着するところは決まっていてさ、勝手にそいつに向かっているんだ。

だけど、みんな気がつかねえんだ。自分のいる場所だけはエスカレーターじゃないって思ってんだよ。

どうせエスカレーターは進むんだから、ゼイゼイ息を切らして働くよりも、美味しいものを食っていた方がよほどいい。

ーーエスカレーターなんてものは、どこで降りても違いはねえんだ

 

この時伊藤はどんな状態だったんでしょうか?

もしかしたら見落としてしまったかもしれないのですが、この時伊藤はすでに仕事を辞めてしまっていたのでしょうか?

それとも、伊藤が将来的仕事を辞めることを見据えていったことなのでしょうか?

 

堅実な考え方でいけば、そりゃあ働かないと美味しいものを食べることなんかできないでしょう、と思います。

しかし、もしも仕事を辞めたいな、どうしようかな、という場面で言われたのだとしたら、孫のそう言った迷いに気がついて伊藤の背中を押したのかもしれないなと思いました。

 

ちなみに私の祖母もよく、辛かったら辞めなさい、と言ってくれるんですが。

大学生の頃からずっと言われ続けて今になっても言われていますが、さすがにやっぱりここで辞めるのはめんどくさいな、と思って辞めないで来ています。寿退社できるような職業でもないし、きっとこのままエスカレーターにのりつづけるんじゃないかと思います。

エスカレーターに乗っているのは案外楽です、考えなくても進んでいってくれるし。

でもやっぱり心がしんどい時とか、どうしてもって時は降りるのかもしれません。

もしかして、降りても案外なんとかなるかもしれないですしね。

 

続いて、解らなかったことについて。

謎の多い島で事件が起こり、どんどん謎が増えていく。

しかし、終盤には伏線をしっかり回収し、真相が分かっていくすっきりするのですが、

一つわからないところが。

以前フォロワーさんも同じ謎を抱えていました。

「桜が人を殺す基準」

桜がこれまで殺していた人たちは、大抵が悪いことをした人たちでした。

ただし、わざわざあの人が悪いことをしていた、と教えにこられてもわざわざ殺しに出向くわけではない。

桜が殺す時、相手に言う言葉はこうだ。「うるさい」。

そして拳銃を向けられて命乞いをしたり、言い訳をしたりする人に「理由になってない」と言い、銃を撃つ。

 

序盤のエピソードでは「悪い奴を懲らしめてくれる奴」と言うイメージでしたが、途中でサラッと

花を眺めていただけの主婦と、5歳の娘を殺したという事実を聞かされます。

何故?桜は悪いやつを殺すのではなかったのか?

 

これに関しては最後まではっきりと説明はありません。

なので、私も自分なりに考えてみました。

 

まずは桜と伊藤の話からヒントを得ます。

桜はいうことには。

人はうるさい、うるさいのは嫌いだ。

正気でいるために人を撃つ。正気でいるために銃と詩が必要だ。

死よりは詩の方がいい。俺は桜になりたい。舞う、舞って散る。景色を桃色に変える。

全員を撃つことはできない。

 

 

このことから、伊藤が考えたことは

「彼が本当にやりたいことは、ナイフのように研ぎ澄ました詩を弾倉に詰めて、誰かれ構わずにそれで撃ち殺すことなのかもしれない。

しかし、この世の中に存在する人間を全員撃ち殺すことはできないので、価値のない人間の代表を独断で選び出して撃っている。

そうではないだろうか」

 

さらには終盤で、桜は活躍します。桜としてはいつも通りのことをしたまでなのですが、

読者にとっては大活躍です。

ある人物と対峙する場面。そこでこのように描写されています。双子が向かい合っているような幻想的な場面。

これはつまり、この人物と似ている、ということ?

それは、自分の理想のために人間がどうなっても構わない、という点で似ていたのでしょうか。

 

ではこれらのヒントをもとに考えます。

花を眺めていただけの主婦と5歳の娘が殺された理由。

①娘が単純にうるさかった?

それは笑い声だったかもしれないけれど、桜にとってはうるさいものに変わりなかった。

娘が撃たれたため、母親は怒ったか泣き叫んだか、いずれにせよ、やはりうるさかった。

または、娘に向けられた銃に立ち塞がり先に死んでしまった。

 

②娘が花を摘んでいた?

これは描写にありませんが、親子で花を見ている時に、小さな娘が花を摘むことは十分にあり得ることではないでしょうか。

眺めていただけ、ではなく花を摘む=命をつんでいた。だから撃った。

 

③花を見に来た桜にとって、親子がただ単純に邪魔だった?

もともと人間という存在が邪魔だった桜にとって、花の咲く風景に入り込む親子が邪魔だったのかもしれません。

ちょっと乱暴かもしれませんが、言ってしまえば桜はただ撃っただけなのかもしれない、と思いました。

桜はそもそも人間側ではなく、自然を贔屓する側の、「彼」の仲間であると考えれば、すきアラバ誰でも撃つ可能性はあります。

 

④親子は以前何か悪いことをしてしまった?

これは違うかも、と思いつつ。悪いことをした、価値のない人間から選んで殺していたという説だけを信じれば、

やっぱりこの親子も何か悪いことをしていた、ということになります。

花を眺めていることそのものが気に食わなかったのではなく、ちゃんと桜に殺される理由があった。

うーん、書けば書くほどやっぱり④は違うと思うなぁ。

 

さて、皆さんはいかがでしょうか?どのように考えますか?

もしかしたらもっとヒントがあったのかもしれませんが、わたしにはこれ以上はわかりませんでした。

 

 

ということで、今回はこんな感じで、謎ののこる不思議なお話でした。

個人的にはすごい、めでたしめでたしでよかったです!

マリアビートルと一二を争う感じで、めちゃくちゃおすすめです!

 

一つの記事を書くのに結構時間がかかるので、この次の作品の記事はまた明日以降になりそうです。

それではおやすみなさーい!