本を読むとすぐに感化される人の読書記録

読んだ本の記録がなんとなく誰かの目に触れてほしい気がする。

ホワイトラビット

こんばんは〜!今日で6月最後の日なんてびっくりですね!

さて!まりあの伊坂祭り、2作品目は「ホワイトラビット」です。

新潮文庫の100冊、の中に含まれてたので買ってきましたが、文庫化されたばかりだったのですね、知りませんでした!

 

日頃、あるグループに属して「誘拐業」をしていた兎田は、まさかそのグループのやつらに自分の妻が誘拐されるなどと想像もしていなかった。愛する妻を助け出すため、とにかくやつらの要求である「オリオオリオ」見つけ出す、という任務を果たさなければならないのに、なぜかある家族の家で立てこもり事件を起こす羽目になり、しかもその家族は秘密を抱えていて、、、、?籠城犯 V S 誘拐グループ V S 警察 V S ???

 

というお話。

とにかく今回は盛り沢山です。

今まで読んだ作品は、殺し屋だったり、死神だったりと揺るぎないメインテーマがあったんですが、

これはそういうふうに、一言では言い表せず、

なんのお話?って聞かれるとちょっと困る感じ。

いろんな登場人物がお互いを欺き合い、そして我々読者をも欺いてくる。

 

また、いろんな蘊蓄が出てくる。「レ・ミゼラブル」や、オリオン座の話などが登場人物それぞれの思い出話だったり雑談だったりと時と場所を変えて語られる。

特にレ・ミゼラブルに関しては登場人物に冒頭で、「あの小説って所々、変な感じですよね。急に作者が〜妙にしゃしゃり出てくる」と言わせておいて、なんとこの物語においても「皆さんはお分かりかもしれないが〜」みたいに「しゃしゃり」出てくる。

今まで、「あえて説明しすぎない」ところが伊坂作品の特徴なのかなと思っていたので、すごく新鮮でした。

説明しすぎないところが好き!と思っていた人にとっては、今回に限ってめちゃくちゃ説明的なのが肌に合わないかもしれない。

ここは賛否両論あるかもしれないですね。

 

では、今回も心に残った、気になった部分についてネタバレしないように注意して書いていきます。

 

①『弱い相手を陥れて、「どうだ、俺はうまくやってるだろ」なんて思ってる奴が一番嫌いなんだよ。』

ある2人の男たちの会話。

この1人の男のセリフに対して、「別に自分が被害にあった訳でもないのに犯人に腹が立ったり、許せないと思うのはなんでなんですかね」ともう一人が返す。それに対して

「俺たちは、せっかく自分たちが我慢してルールに従っているのに、なんでお前は我慢しないんだ、そのせいで秩序が壊れてしまう、と感じるようにできている」と、答える。

 

これって、「悪いことをするやつらが許せない」ということについて書いているようだけど、「悪いこと」に限らないよな、と私は思います。ちょっと人と変わったことをする人が許せない人や、人の幸せをずるい!という人、今まで自分たちが苦労してきた分部下たちも苦労して当然と考える人、などなど。

自分が我慢しているのに、我慢してきたのに、違うことをする人がいると秩序が壊れるような気がするから、許せない!

という気持ちを持つ人が多いということですね。

この考え方だと一向に幸せな人が増えないし、新しいことも生み出せない、環境も良くならない。

ついつい他人の足を引っ張りがちな私たちですが、他人への思いやりを持たないといけないな、と思いました。

 

②俺の大事な綿子ちゃん、要するに俺の妻だよ、実際は妻とか嫁とかいうよりもまさに綿子ちゃんとしか言いようのない、ふんわりした可愛い女なんだが、その彼女が誘拐されているんだ。

 

これは兎田が自分の妻が誘拐されているということを相手に伝えるところ。

この説明の仕方、ものすごく、なんというか、羨ましいですよね。

「綿子ちゃんとしか言いようのない、ふんわりとした可愛い女」というのが「綿子」という名前だからしっくりくる説明とも言えますが、もしかしたら兎田は、「綿子」という名前でなくてもこんなふうに紹介してくれるのではないでしょうか。

もちろん、実際は誘拐されて命が危ないので「えー、うらやましー」とか思っている場合ではないのですが笑

妻とか嫁とかいう説明のされ方よりも、唯一無二な感じがして、愛されてる、大事にされているのが伝わってきて素晴らしいと思いました。

 

③罪は引力みたいなもの、地上にあるものは罪から逃れられない。罪をゼロにはできない。罪のない人間なんてありえない。

だから、できるだけ罪を少なくするのを目標にしろ。迷ったり、怠けたり、罪を犯してもいいが、正しい人になれ。

 

悪いことをする人ばっかり出てくる伊坂作品。マリアビートルの王子、死神の浮力の本城のように「サイコパス」も出てきますが、グラスホッパーの鯨のように罪の意識を感じる登場人物もいますよね。

ただし、これは彼らに限ったことではなく、私たち「一般人」にも当てはまります。

ふとした言葉で誰かを傷つけてしまったり、図書館から借りた本のページがうっかり折れてしまったりと、悪いことをしようとしていなくても、起ってしまう「罪」は必ずある。

大きくても、小さくても、罪を犯してしまうことは仕方ないかもしれない。ただ、できれば少ない方がいい。

そして、起ってしまったものは仕方がない。大事なのは、そのあとだ、ということ。

なんだか宗教チックですが、私も正しい人でいられるようにしたいな、と思いました。

 

 

さて、ネタバレが怖いので、付箋を貼っていた部分の中でもあまりストーリーに触れないような部分を引用してきました。

他にも、読んでてふふっとなったところとか、わぁ!ここでその伏線!みたいに感動したところにも付箋を貼ってたんですけど、

ネタバレなしでは書けないので我慢します!

かなり面白かったので、個人的にはマリアビートルと並ぶかどうか!という感じでオススメ度★4.5です。

今まで伊坂作品に手を出したことのない方にもオススメしやすい作品だったなと思います。

最近まで私も読んだことなかったんですけどね笑

 

それではこの辺で。

次の作品は明日Amazonから送られてくるので、今日はこのあとはボーッと過ごします〜

残り全部バケーション

こんばんは!本日から勝手に祭りを始めました!まりあです。
題して、まりあの伊坂祭り!いえーい。
ただただ伊坂幸太郎さんの作品を連続で10作品読むだけ。


今まで気分で本を選んできましたが、こういう縛り、みたいなやつやってみたかったんですよね!フォロワーさんの真似っこではありますが、便乗したいと思います!

 

ということで記念すべき?1作品目!
「残り全部バケーション」!
なんとも素敵な響きです、残り、全部、バケーション。

 

さて、こちらは連作?短編集。
主にあくどい仕事で生計を立てる二人の男、岡田と溝口の周りで巻き起こる小さな事件についてのお話が5つ。
表題作の「残り全部バケーション」はこの2人のコンビ解消とある家族の解散の物語。
先輩である溝口に、この仕事を辞めたい、と打ち明け、ある条件を出される岡田。
適当な番号宛でメール(SNS)を送信して、その相手と友達になることだ。
相手は40代の男、とその妻と娘の3人家族。なんでも男の浮気が原因で離婚することになり、今日が家族解散の前の最後の日らしい。岡田と、家族の奇妙なドライブは一体どうなる?

というお話。


他のお話は、岡田と溝口のコンビ解消より前の普段の日常で、岡田がちょっとイイコトをする話だったり、岡田の小学生時代の話だったり、時系列は様々だが、伊坂幸太郎のいつもの短編集のごとく、それぞれのお話がちょっとずつ繋がる構成です。

 

短編集の1つ1つの終わり方はあっさりとしていて、読者の想像に委ねられています。
私はもう少ししっかりと「こうなりました!」って教えて欲しいタイプではありますが、
この1冊全体で見ると、それまでの短編の最後を濁してきたのもすべて伏線のうちのような気がする。そして最後の5章、飛べても8分でしっかり回収しているので、逆にその他の章はこれくらいあっさりで良かったのかも?と思いました。

 

さて、今回はこの本の一部で、私が気になった、心に残った部分、を紹介していきたいと思います。

 

①第四章 小さな兵隊より
「先生だって、家に帰れば、テレビを見るだろうし、マクドナルドにも行くよ。『明日からまた仕事だ、かったるいな』と思ったりもするだろうし」


これは小学四年生の岡田の言葉。
私は小学生の頃の担任の先生が、明日も仕事だ、かったるいなと思っているところを想像したり、中学生の教師をしている両親も、そう思っているだろうなと思ったりしました。
教師もそうだし、医者も、看護師も、消防士も、警察官も、そうだと思う。

教師なんだからいつも生徒のことを考えているべき。
医者や看護師は患者を第一に考えるべき。

2年前の上司が、前から決まっていた期間に夏休みを取った時、患者さんの奥さんに「主人がこんなに大変な時に主治医が夏休みを取るの?」って言われた、というエピソードを教えてくれた。
その患者さんの気持ちはわからんでもないけど、でも、
上司はあなたの主治医である前に2児の母でもあるからね。
そんなことは知らないだろうけど、医者には代わりがいても、お母さんに代わりはいない。


その奥さんや、「消防士や警察官がコンビニで水を買っていました!」と騒ぎ立てる人たちは、この岡田の言葉をどう受け止めるんだろうか。
きっと、そういう人に限ってこの部分を当たり前のことを言ってると思ってなんの気なしに、読み流すんだろうなと思う。偏見だけど。


②第五章 飛べても8分 より
飛んだら八分、歩いて十分

初めてきくフレーズですが、とんでもない!という意味らしいです。
せっかく飛べても8分、歩くのと2分しか変わらないんですね、という高田という後輩に溝口は、2分しか変わらなくても、飛べるなら、飛びたいじゃねぇか、という。

たしかに、飛べるなら、そっちの方が楽しそうですよね。
ディズニーランド とか、シーとか、ちょっとパーク内を移動してくれる電車に、並んで乗るみたいなことでしょうか。
歩いてもいけるけど、どうせなら、パーク内を走っているあの電車に乗るのも悪くない。
毎回は、乗らないけど。

ゴールは一緒。かかる時間もそれほど変わらない。それでも、この道を、せっかくだからこの手段で。
タイトルにもなっているこのフレーズに、どれだけの意味があるのか私にはわかりませんが、なんとなく面白くて深イイ気がしました笑

 

さて、まりあの伊坂祭り!まだまだ続きます!

サロメ と サロメ

こんばんは〜!
今日は完全なお休みをもらいました!しかも明日もほぼお休みです!やったね♪
さて、今回は2つの「サロメ」について。

ある日、本屋さんで 原田マハ 著の「サロメ」に出会い、なんとなく手触りが良くて買って来たのですが笑
帰ってきて読もうと思ったら、どうやら原作「サロメ」とは違う、
言ってしまえば二次創作である、ということに気がついたので、
先に原作、オスカー・ワイルドがかいた「サロメ」を読みました。
名前は知ってたんですけど、どういうお話かは知らなかったので良い機会でした♪


サロメ、というのはこの物語の主人公であり、美しい王女のこと。
サロメはある日、聖人ヨカナーンと出会い、一目惚れ。
これまでその美しさと身分から、なんでも自分のものにして来たサロメだったが、
カナーンはどんなに口説こうとも呪いの言葉を吐くばかりで手に入らない。
そこで自分に色目を使う義父、王エロデに「舞を自分のために踊ってくれたらなんでも好きなものを与える」という約束をさせ、
まずは美しい舞を踊って見せてから欲しいものを口にする。

「銀の皿にのせて、ヨカナーンの首を」
そしてやっと手に入れた愛しいその唇に口づけをする。。。

という、理解を超えた狂気をはらむ恋の物語。
手に入らないならいっそ殺しちゃえ★ということですね(?)
この物語が有名になったのは、すでに名の知れた作家であったオスカーワイルドが聖書の一部をもとに描いた物語であったこと、
に加えて当時ほぼ無名であったオーブリー・ビアズリーが描いた、誰もみたことのない奇抜な絵を挿絵に使ったことが原因だった。
100ページにも満たない作品でしたが、挿絵は10枚以上。
そのどの絵も、実に狂気に満ちていて、蠱惑的。何が描かれているのか、わかりそうで全くわからない。
美しいサロメはいつ出てくるんだよ、、、と思っていたら話が終わりました笑
振り返ってみると、どうやら毎回衣装も顔も髪型が違うけれど、女性はほぼサロメだったみたい。
挿絵としてどうかと思いましたが、どの絵も印象的で、確かにサロメの狂気を表してはいるのだろうな、、、と思いました。

さて、結局読後の感想は「なんだったんだ、あの絵は?わからん!」
ということで満を辞して?原田マハさんの「サロメ」を読むことに。

こちらはというと、オーブリー・ビアズリーの姉、メイベルを主軸にして、オーブリーが画家を目指し、
サロメの挿絵を描いて死ぬまでを描いた物語です。
オーブリー・ビアズリーサロメによって一躍有名な画家として知られるようになりますが、
小さな頃から患っていた結核のために25歳で亡くなってしまいます。
その人生を主にメイベル目線で描いたフィクションであり、
ドラマティックな展開に引き込まれて1日で一気に読んでしまったのですが、、、
読み終わった後の感想としては、
面白かったけど、どこからがフィクション?どこまでが事実?

「マリーアントワネットの日記」シリーズは史実をもとに作者の解釈が織り込まれていたもの。
だいたいが史実をもとにしているんだろうな〜とわかりましたが、
今回はそもそも知識がなさすぎてオーブリーはほんとに姉がいたの?というところからわからん。あの要素は史実から持って来たもの?それとも作者が考えた設定??とすべてにおいて疑心暗鬼になってしまいました。


ということで!野暮かも知れませんが、せっかくなのでちょっと調べてみよう!
ネット(主にウィキペディア)でわかる範囲でフィクションとノンフィクションの間を探してみよう!
知りたくない、夢を壊されたくない、ネタバレが嫌な人は読まないでくださいね笑


●そもそも、オーブリーの姉、メイベルは実在する人物??
→実在したみたい。Wikipediaには姉のメイベルは女優になった、とのこと。

オスカー・ワイルドは男色家だったの?
→男色の罪で逮捕されてしまい、オーブリー自身は男色家ではなかったものの、サロメで以来ワイルドと一体視されていたため疑いの目をかけられ、逮捕はされなかったものの仕事を奪われる。

●そのほか史実と確認できた部分は
・画家エドワード・バーン=ジョーンズの画室を姉メイベルと共に訪問し、作品を見せたところ、才能を絶賛され、勤めを辞して画家になることを勧められる(原田サロメでは、この時にワイルドと出会うが、その記載はなし)
・メイベルはオーブリーのモデルになったことがあった。(原田サロメでは、メイベルはヌードモデルになることを拒否していたが、実際はヌードモデルもしていたよう)
・行きつけの書店の主人フレデリックエヴァンズも実在
・ガーディアン火災生命保険会社で働いていたが、年末に喀血したため休職。
ビアズリーはこの作品の英訳者になることを望んでいたが叶わなかった
・挿絵入り文芸誌『イエロー・ブック』創刊。同誌の美術担当編集主任となる。
・ワイルドの側ではビアズリーの才能を高く評価していたが、ビアズリーの側では(ワイルドの醜聞の巻き添えで社会から指弾されたため)ワイルドを敵視していたとされる
・アルフレッド・ダグラスも実在。(Wikipediaに写真が載ってるけど結構綺麗な顔してるぞ!)
ワイルドと親しい仲にあり、サロメの英訳も彼が担当した。息子を気遣う第9代クイーンズベリー侯爵ジョン・ダグラスと告訴を応酬して敗け、卑猥行為をとがめられて投獄された。

と、まぁこんな感じでしょうか。
Wikipediaのおかげで、大筋は外れていないことがわかってスッキリしました。
メイベルとオーブリーが仲良しだったことは事実のようですが、メイベルが自分や弟のために嘘をついたり工作をしたりした事実は確認できませんでした。これ以上はちゃんとした文献を漁った方が良さそうです。
ただ、おそらく「サロメ」の狂気的な愛をメイベルに重ね、サロメのように愛や欲望のために手段を厭わない様子を描いたフィクションなのだろうと考えます。
理解が深まったし、勉強になって今回の記事は珍しく有意義でしたね♪笑


ところでもう一つだけ疑問があるのですが、結核で亡くなった著名人は何人もいると思いますが、
そのご家族も結核で亡くなった、という記載はあまり見かけなくないですか?
オーブリーも結核を患い、母や姉と一緒にいてめちゃくちゃ咳をしていたのに、家族も結核にかかって亡くなったかどうか書かれていません。絶対結核うつってるでしょ!咳めっちゃしてたでしょ!正直そこが一番気になってしまいました。
咳をしている人はマスクしようね!!!

それでは今回はこんな感じで!
お休みなさーいO o . (¦3[_____] Zzz…

東京プレデターズ

こんばんは!24時間勤務終了、シャワーも浴びたし夕飯も食べたし、まだまだなんでも出来そうな気分のまりあです☺️

さて、今回は七尾与史 著、「東京プレデターズ チャンネル登録お願いします!」です。

文学Youtuberのベルさんが買って来たよ〜と動画をあげていたので気になってました。

 

七尾与史さんの作品は読んだことが無いと思っていたのですが、本棚を整理したら1冊ありました笑

「僕はもう憑かれたよ」という作品、面白かった記憶があるののに作者を把握していませんでした。

 

さて、「東京プレデターズ」のあらすじです。

怪獣映画の制作を夢見つつ底辺生活を送る須山民夫。懸賞サイトで当てた小型カメラをFacebookで自慢した結果、やっかいな先輩、阿知良サトシに無理矢理仕事を辞めさせられ、「ネオチューバー」のカメラマンになるよう命じられる。

「ネオチューバー」というのはお察しの通りユーチューバーと同じようなもので動画配信サービス「ネオチューブ」で動画を

配信する人たちのこと。

歯学部に通い将来は歯医者の予定だったがまったく歯学に興味がなく、女優を目指している蘭子も巻き込み、3人で「東京プレデターズ」を結成しトップネオチューバーとなって一攫千金を狙うのだ。

ゲーム実況などの飽和気味のジャンルではなく新しいジャンルに挑戦することで他との差別化を図ろう、ということで目をつけたのが未解決事件。この謎を解き明かし、それを動画にするというもの。未解決事件の中でも「人気ネオチューバー殺戮ホテル事件」を調べることになった。この事件は当時人気だったネオチューバーグループが廃墟ホテルでライブ配信をしていた最中に、リーダーの男性が突然豹変し、他のメンバーを次々と殺してしまう、というショッキングな事件。なぜリーダーは急に豹変してしまったのか。

東京プレデターズは真相に辿りつけるのか?そして人気ネオチューバーになることはできるのか!?

 

というお話です。

動画配信サービス×ミステリーという新たな組み合わせ?です。

この小説の良いところを分解して説明すると以下のようになります。

①動画配信サービスの仕組みを教えてくれる

②サクサクと読みやすく、それでいてしっかりとしたミステリー

 

①動画配信サービスの仕組みを教えてくれる

私は今まであまりユーチューバーがどうやって収入を得ているのかについてあまり考えたことがなかったので、チャンネル登録数はただ単なるファンの数なのかな?と思ってました。チャンネル登録するとその人動画をすぐ調べられて便利だよね、くらいにしか思ってなくて、動画で「チャンネル登録お願いします♪」って何度も言われるとちょっとシツコイなと思ってました。

それがなんと、登録者数によって収入が変わるとは!笑

そりゃシツコイくらいお願いしてでもチャンネル登録してほしいよな!

収入に直結するのはチャンネル登録者数と、動画の再生回数だそうなので、今後応援したい人が出て来たらチャンネル登録してあげなきゃ!と思い直しました。

ちなみに私がチャンネル登録してるのは、四千頭身と、文学Youtuberベルさんと、輝夜月とP丸様。、あとは手越祐也さん。

このブログを読んでいる方でYouTubeやっている方がいたらチャンネル登録するので教えてくださいね☺️

 

話がそれましたが、実際、著者である七尾さんがYouTuberということでリアルな感じで動画配信について知ることができて面白かったです♪

 

②サクサクと読みやすく、それでいてしっかりとしたミステリー

ラノベみたいに軽やかで、重厚感はないもののしっかりとしたミステリーで、真相がどんどん気になったり、ミスリードもあったり、手に汗握る展開もあって私にはすごく楽しめました。

最近は伊坂幸太郎の死神ワールドにいたので、余計にそう感じたのかもしれませんが良い意味で重くない。毎日フルコースのデザートの前に出てくるシャーベットみたいな感じ?

ちゃんと良い意味に聞こえているでしょうか?汗

僕はもう憑かれたよ、もすごく読みやすかった記憶があるので、今後も重めの小説の間に挟みたいなと思いました。

おそらく読むのにかかった時間は6時間以内、と思います。

 

読みやすさについてはこんなところで一度置いておいて、肝心の真相について。

「突然人格が変わって人を殺してしまう」というオカルトチックな謎なので、ある程度無理矢理な真相も覚悟していたのですが、

思ったより科学的にアリな感じがしました。

私はこの真相の原因に関しては詳しくなかったのですが、アリ、なのかなと思います。

本の後ろに参考文献とか載ってるかな、と思ったけど載ってなかったし、

日本語の論文を軽く漁った限りでは文献が少なくて正しいことは言えないんですが、

何かをきっかけに起こることもあるのかも、と思いました。「結婚」を契機に起こることもあるっていう文献もあって面白かったです。

(昨日0時過ぎに読み終わった後に文献探そうとしたから寝不足になってしまって反省していますが。。。笑)

 

と、いうことで真相も納得の範疇で、読後感もよく、面白かったな♪で終われるお話でした。

おすすめするとすれば、

・普段重めのミステリが多くてちょっと趣向を変えてみたい

・普段あまり本を読まないけど何かしら読んでみたい

YouTubeはよく見るけど、仕組みはよくわからない

という方々ですかね?

 

 

最近、ミステリー愛好家の皆さんのLINEグループの仲間に入れてもらって、読書会をやることになって、

おすすめの本を2冊挙げる、という機会があったので、このブログの記事を見返してみて気づいたのですが、

私がその本を誰に、どのくらいおすすめしたいか、みたいなことが全然書かれていませんでした。笑

そもそもこのブログをはじめたきっかけとして、自分が内容を忘れすぎないようにする備忘録の意味合いと、

誰かに「おすすめの本」を聞かれたときに答えられるようになりたいなーと思ったからなのに、

全然それが書いてない!!

 

ということで今回からはおすすめしたい人と、おすすめ度を書いておきたいと思います☺︎

おすすめしたい人はさっき書いた通りで、全体的なおすすめ度は、

★★★☆☆!

 

ちなみに★★★★★は、

アリス殺し、medium、マリアビートル、かがみの弧城、流浪の月、蜜蜂と遠雷

あたりと思っています。結局めちゃくちゃみんなに人気のある作品ですね笑

 

それでは今後もおすすめ度が分かるような記事にできるよう頑張ります。

明日、読書会の本が届くはずなので、次はその本を読むことになりそうです♪

それでは👋

 

理系な僕の本の愛し方

こんばんは〜。今週もお疲れ様でした!

土日はお休みです♪

 

さて、今回は、向井湘吾 著、

理系な僕の本の愛し方、です。

 

極端な理系男子、桐生蒼太が何故か文芸編集部に異動になった。数値化されない曖昧な世界、頑固な上司、クレーマー作家に翻弄されながらも本を売るために奮闘する、お仕事小説。

 

世の中理系、文系ではっきり分かれるわけではありませんが、数学科の主人公はまさに理系のイメージ。曖昧な表現を苦手としたり、数字、数式そのものに美しさや魅力を感じるタイプ。

そんな彼が、なんとか理系であることを生かして文芸の世界でやっていくぞ!という、お話なのですが、

文系色の強い編集者たちからは、彼の数字を駆使したプレゼンを受け入れられず、理解しようとすらしない。

だって文系だもん!数字わかんないもん!と反発してくれるならまだしも軽くあしらわれて「郷に入っては郷に従え」という雰囲気。

かくいう主人公も、最初はだって理系だもん!文芸なんかわかんないもん!という感じで(もちろんこんなに直接的な表現ではないですが)、文芸のなんたるかを理解しようともせずただ自分の得意分野で戦おうとしていましたが、

クレーマー作家や頑固な上司とぶつかったり、同僚とともに立ち向かう中で、数字では表せない、曖昧なものにも意識を向けられるようになっていきます。

 

 

感想としては、主人公が「理系だから」という設定はそんなに必要だったかなぁ、という感じでした。

今時数字や統計を使ってプレゼンすることに関しては理系とか文系とか言ってる場合じゃないし、

人の気持ちがわからず、そのせいで大学時代に彼女にふられてしまったり、同僚も怒らせてしまったり、というのも理系だからじゃなくて主人公がそういう性格だったからじゃないかな、と思います。

文系だって人の気持ちがわかんなかったり空気が読めなかったりする人、いますよね。

そもそも、数字に強い=理系、数字が苦手=文系ではないので、、

上司たちが統計を使ったプレゼンをよしとしないのはどちらかというと「今までそんなもんは必要なかった」という新しいものへの拒絶でしかないんですよね。

 

文体はサクサクと軽く読めてそれなりに面白くはあったのですが、「理系だから」云々の設定は、わたしには余計な感じがしてしまいました。

 

 

主人公はおいといて、私はどちらかというと、出版業界の裏話的な部分が気になりました。

やっぱり紙の本は売れにくくなってるんだろうな。

本の帯にびっしりと書かれた書店員さんのコメントから、この本が売れますように!という必死な思いが伝わってくるような気がして、なんだか複雑な気持ちになります。

 

都会の本屋さんも潰れてしまったり、店内に本だけじゃなくて雑貨を置いたり、私たちが大好きな業界の危機が感じられますよね。

ネットで本を買うのもいいけど、やっぱり紙の本を本屋さんで買うぞ。。。!と思いました。

そんな感じ。

 

 

今回は結構さらっと書いてしまいました。おすすめ度は、うーん、5点中3点!ですかね。

理系うんぬんの設定のない編集者さんのお話のほうが読みたかったかな?と思いました。

そういうお話があれば、誰か教えてください☆

それではおやすみなさい💤

僕の人生には事件が起きない

こんばんは、まりあです。

今回は珍しくエッセイになります。

岩井勇気 著、「僕の人生には事件が起きない」。

 

ずっと読みたくて本屋さんで探していたんだけど見つけられず、

そうこうしている間にネットでも見つけられなくなってしまいました。

 

私は中学生くらいの時から、無音で寝ることができずイヤホンで同じラジオとかドラマCDとかを何回も聞きながら寝てるんですけど、ここ5ヶ月くらい寝る時に聞いてるのが、

「ハライチのターン!」というラジオです。

私の地域ではリアルタイムで聞くことはできないので、YouTubeで誰かが上げてくれたの聞いています。特に岩井さんのお話が好きなので、岩井さんのお話がまとまってるのをよく聞きます。

しかし、誰かが上げてくれているものを聴くだけでは、岩井さんに一銭も入らない。

毎日安眠に誘ってくれているのに、なんの恩返しもできないとは!!

 

ということで兼ねてより岩井さんにお金を使いたかった、というのがこの本を購入した1番の理由かもしれません、オタクなので。

 

内容としては、それこそラジオで岩井さんのお話をきいている私にはほとんど真新しい内容はないことも知ってたんです。ほぼ岩井さんの声で脳内再生余裕です。

あっなんか自分で書いてて気持ち悪い!岩井さんごめんなさい。。。。!

 

岩井さんのエッセイやお話のすごいところは、タイトル通り、

特にものすごい事件が起こっているわけではなく、ちょっとした出来事から

独特な妄想だったり、気づきを得て考察したりで話を面白くできるところです。

メゾネットタイプの家に一人暮らしをしているだけなのに、

そのことについめちゃくちゃ話を広げられるのはすごい。

家の中で片付けしたり、コーヒー飲んだりするだけで何ページも書けるし、

なんとなく共感しつつ、フフッてなる。

誰かに岩井さんのお話、面白いよって教えてあげたいんだけど、

私が話そうとすると、うまく魅力が伝わらなさそうなのでぜひいろんな人に読んでしてほしい。

できればハライチの漫才しか見たことがない人には

ラジオで岩井さんが話しているテンションを聞いてから読んでほしい!

 

あと、この本には普段ラジオではお話しない、相方澤部さんについても書き下ろしで書かれていて、

ただただ相方を褒めたり貶したりするわけではなくしっかり分析していて、なんとなく尊みを感じました。オタクなので。

 

私の文才のなさのせいでこれっぽっちも魅力が伝わってない、というかただ私がオタクであるはなしをしただけになってしまった気がしますが、そろそろ仕事の時間のようですのでこのくらいにします。

それでは〜!

 

 

屍人荘の殺人

こんばんは!楽しい土日はあっと言う間にすぎていきましたが、1冊読み終えたのでまたまたブログ更新です。

こんなに本ばかり読んでいていいのだろうかと不安になってきましたが、、、ま!いいか!

 

さて、今回は今村昌弘著、屍人荘の殺人です。

去年の冬くらいに神木隆之介さんが主演の映画がやっていて、なんとなく面白そうだったので選びました。

ダブルカバーで映画仕様になっていました。もともとの書影があまり好きじゃなくて今まで手を出さなかったので、結構嬉しい。

f:id:mochimochi9876:20200607212512j:image

 

メインの登場人物は神木隆之介さんのほかに2人。

俳優さんのイメージがついてから本を読むのは好きではないのですが、

テレビを見ないおかげで神木さん以外はよく知らないからイメージがつくことなく読めました。

中村倫也さんは結構人気な方みたいなのでファンの方には申し訳ないですが)

 

さてさて、あらすじです。

大学生の葉村譲と明智恭介は大のミステリ好き。明智をホームズ役に、葉村はワトソンとしてあらゆるところに首を突っ込んでいた。曰く付きの映画研究会の夏合宿にも参加することになったが、その合宿1日目の夜に思わぬ事態に巻き込まれ、合宿所である『紫湛荘』に閉じ込められることになった主人公たち。一夜あけてまた一転、なんと参加者の一人が死体と発見される。極限状態での連続殺人が開幕!

果たして主人公たちは事件を解決し無事に日常に戻ることができるのか。。。。。?

 

 

という話です。今回はいろんな人におススメしたいので、頑張ってネタバレなしで魅力をお伝えできればと思います!

 

メインの登場人物は『ミステリ愛好会』として2人で活動する葉村、明智、あとはもう一人、美人な探偵少女の剣崎比留子。

夏合宿はもともと部屋の数の関係で、限られた映画研究会のメンバーしか参加できなかったため、2人は首を突っ込もうにも参加を断られていたのですが、彼女の根回しのおかげで参加できるようになりました。

なんでも夏合宿について脅迫状が届いたため、映画研究会メンバーの多くが参加をキャンセルし、急に頭数が必要になったとのこと。実は男女の出会いの場としての役割もある合宿であり、特に女性の参加者が必要であることを聞きつけた剣崎は、葉村と明智の参加を条件に参加することにしたのだ。

なぜ剣崎がそこまでして葉村と明智に近づいたのか?

それも物語の中盤で語られるためここでは内緒にしておきます。

 

では私が面白かったな、と思ったポイントをご紹介します。

①クローズド・サークルが犯人の思惑とは関係なく成立している!

クローズドサークルというのは、外界とは接触・交流を絶たれた場所で数人が閉じ込められて起こる事件。

例えば吹雪とか嵐など天候が悪く逃げ出せない!ネットや電話も通じない!という状況。

嵐はともかく、吹雪に関しては冬の雪山のペンションに集まれば閉じ込められることは予想がつくし、

電話については犯人が意図的に電話線を切ったり帰るためには絶対に通らなければいけない橋を切り落としたり、

『数日間誰も出られない、助けを呼ぶことができない環境』は犯人が積極的に作る、あるいはその状況を想定していることが多い。

そしてそのような環境で殺人事件が起こることで、この数人の中に犯人がいるんだ!と疑心暗鬼になるのですが、

犯人自身は自分が犯人なので多くの場合は自分の命に危険が迫っているとは思っていないでしょう。

(ただし、疑心暗鬼になった全然犯人じゃなかった人が自分以外全員を皆殺しにし始める場合を除く)

しかし、この物語のすごいところは、予想していなかった出来事のために外に出られず、電話やネットが使えない環境がいつのまにか出来上がり、さらに犯人の命でさえも危ない状況である!というところ。

王道ミステリにこの要素が加わるとこんなに面白くなるんだ、とびっくりしました。

 

ちなみに、この要素については映画の予告編を見てもバッチリ隠されています。

映画の感想をちらっと検索してみましたが、『こんなはずじゃなかった!騙された!』という意見も少なからずありました。

たしかに何も知らずに映画館で見るのは人によってはきつい要素も\あったかもしれないのですが、原作がこの要素をあらすじに書かずに隠しているので、やっぱり映画もネタバレするわけにはいかなかったんでしょう。私としても予告動画でこの要素について触れていなくて本当に良かったと思いました。

ミステリでのネタバレは悪!!!!

 

②登場人物の消し方が絶妙。

あらすじに連続殺人事件と書いてありますから、次々に人が消える、という点は書いてもネタバレにはならないですよね?

この物語でもびっくりするくらい登場人物が次々と姿を消すわけですが、順番もなかなかびっくりします。

お?!その人!そういう感じで!?もう消しちゃう?と思いました。

連続殺人事件とか、次々と人が姿を消していく系は『次は誰がいなくなるんだろな』と予想しますよね。

私は結構序盤でお気に入りのキャラがいなくなるんですけど、これはお気に入りになるかならないかのうちにいなくなってしまいました。

多分もうすこし生き延びてくれたら気に入ってたと思うんだけどな。。。

この感じはダンガンロンパを思い出しますね。。。。ダンガンロンパはすごく好きで、1・2・絶対絶望少女・V3全てやりましたが、V3は結構最後まで好きなキャラが生き残っててくれて嬉しかったなぁ。

ダンガンロンパが好きな方は結構この作品も気にいるかもしれませんね。

 

③。。。と思ったけどこれ以上はネタバレせずに語るのは無理そう。

正直②も書きすぎかな?と思ったくらい。

やっぱりこの物語は前情報なしで出会ってほしいです!

 

ここからは余談になります。

映画についてですが、登場人物の設定が謎に変更されているみたい。

作家が一つ一つのトリックを仕込むために一人一人作り上げた登場人物の設定を変えるのはどうかな、と私は思います。

なんの思惑があって変えるのかは知りませんが、その変更必要だった??

と、最近小説→映画化にはちょっと不満があるのですが、小説・漫画→アニメに関してもきっと同じですよね。

私はアニメはよく見るのですが、原作はあまり確認しないタイプです。

今まであまり気にしていなかったけどアニメも、原作を勝手に変えて作られてるものがいっぱいあるんだろうな、と複雑な気持ち。

 

あ!でもアニメにするにあたり原作と違うエピソードを加えているのにも関わらず評価されているものもあります。

HUNTER×HUNTERのフジテレビ版。

レオリオとの出逢いとか、ハンター試験の一部の軍艦島とか。原作と違うのにめちゃくちゃ好きです。もう一回見たい。

 

ネタバレしないようにすると話がそれがちですね。私の好きなゲームとアニメも便乗して紹介してしまいました笑

それではまた、明日から頑張ろう〜