本を読むとすぐに感化される人の読書記録

読んだ本の記録がなんとなく誰かの目に触れてほしい気がする。

サロメ と サロメ

こんばんは〜!
今日は完全なお休みをもらいました!しかも明日もほぼお休みです!やったね♪
さて、今回は2つの「サロメ」について。

ある日、本屋さんで 原田マハ 著の「サロメ」に出会い、なんとなく手触りが良くて買って来たのですが笑
帰ってきて読もうと思ったら、どうやら原作「サロメ」とは違う、
言ってしまえば二次創作である、ということに気がついたので、
先に原作、オスカー・ワイルドがかいた「サロメ」を読みました。
名前は知ってたんですけど、どういうお話かは知らなかったので良い機会でした♪


サロメ、というのはこの物語の主人公であり、美しい王女のこと。
サロメはある日、聖人ヨカナーンと出会い、一目惚れ。
これまでその美しさと身分から、なんでも自分のものにして来たサロメだったが、
カナーンはどんなに口説こうとも呪いの言葉を吐くばかりで手に入らない。
そこで自分に色目を使う義父、王エロデに「舞を自分のために踊ってくれたらなんでも好きなものを与える」という約束をさせ、
まずは美しい舞を踊って見せてから欲しいものを口にする。

「銀の皿にのせて、ヨカナーンの首を」
そしてやっと手に入れた愛しいその唇に口づけをする。。。

という、理解を超えた狂気をはらむ恋の物語。
手に入らないならいっそ殺しちゃえ★ということですね(?)
この物語が有名になったのは、すでに名の知れた作家であったオスカーワイルドが聖書の一部をもとに描いた物語であったこと、
に加えて当時ほぼ無名であったオーブリー・ビアズリーが描いた、誰もみたことのない奇抜な絵を挿絵に使ったことが原因だった。
100ページにも満たない作品でしたが、挿絵は10枚以上。
そのどの絵も、実に狂気に満ちていて、蠱惑的。何が描かれているのか、わかりそうで全くわからない。
美しいサロメはいつ出てくるんだよ、、、と思っていたら話が終わりました笑
振り返ってみると、どうやら毎回衣装も顔も髪型が違うけれど、女性はほぼサロメだったみたい。
挿絵としてどうかと思いましたが、どの絵も印象的で、確かにサロメの狂気を表してはいるのだろうな、、、と思いました。

さて、結局読後の感想は「なんだったんだ、あの絵は?わからん!」
ということで満を辞して?原田マハさんの「サロメ」を読むことに。

こちらはというと、オーブリー・ビアズリーの姉、メイベルを主軸にして、オーブリーが画家を目指し、
サロメの挿絵を描いて死ぬまでを描いた物語です。
オーブリー・ビアズリーサロメによって一躍有名な画家として知られるようになりますが、
小さな頃から患っていた結核のために25歳で亡くなってしまいます。
その人生を主にメイベル目線で描いたフィクションであり、
ドラマティックな展開に引き込まれて1日で一気に読んでしまったのですが、、、
読み終わった後の感想としては、
面白かったけど、どこからがフィクション?どこまでが事実?

「マリーアントワネットの日記」シリーズは史実をもとに作者の解釈が織り込まれていたもの。
だいたいが史実をもとにしているんだろうな〜とわかりましたが、
今回はそもそも知識がなさすぎてオーブリーはほんとに姉がいたの?というところからわからん。あの要素は史実から持って来たもの?それとも作者が考えた設定??とすべてにおいて疑心暗鬼になってしまいました。


ということで!野暮かも知れませんが、せっかくなのでちょっと調べてみよう!
ネット(主にウィキペディア)でわかる範囲でフィクションとノンフィクションの間を探してみよう!
知りたくない、夢を壊されたくない、ネタバレが嫌な人は読まないでくださいね笑


●そもそも、オーブリーの姉、メイベルは実在する人物??
→実在したみたい。Wikipediaには姉のメイベルは女優になった、とのこと。

オスカー・ワイルドは男色家だったの?
→男色の罪で逮捕されてしまい、オーブリー自身は男色家ではなかったものの、サロメで以来ワイルドと一体視されていたため疑いの目をかけられ、逮捕はされなかったものの仕事を奪われる。

●そのほか史実と確認できた部分は
・画家エドワード・バーン=ジョーンズの画室を姉メイベルと共に訪問し、作品を見せたところ、才能を絶賛され、勤めを辞して画家になることを勧められる(原田サロメでは、この時にワイルドと出会うが、その記載はなし)
・メイベルはオーブリーのモデルになったことがあった。(原田サロメでは、メイベルはヌードモデルになることを拒否していたが、実際はヌードモデルもしていたよう)
・行きつけの書店の主人フレデリックエヴァンズも実在
・ガーディアン火災生命保険会社で働いていたが、年末に喀血したため休職。
ビアズリーはこの作品の英訳者になることを望んでいたが叶わなかった
・挿絵入り文芸誌『イエロー・ブック』創刊。同誌の美術担当編集主任となる。
・ワイルドの側ではビアズリーの才能を高く評価していたが、ビアズリーの側では(ワイルドの醜聞の巻き添えで社会から指弾されたため)ワイルドを敵視していたとされる
・アルフレッド・ダグラスも実在。(Wikipediaに写真が載ってるけど結構綺麗な顔してるぞ!)
ワイルドと親しい仲にあり、サロメの英訳も彼が担当した。息子を気遣う第9代クイーンズベリー侯爵ジョン・ダグラスと告訴を応酬して敗け、卑猥行為をとがめられて投獄された。

と、まぁこんな感じでしょうか。
Wikipediaのおかげで、大筋は外れていないことがわかってスッキリしました。
メイベルとオーブリーが仲良しだったことは事実のようですが、メイベルが自分や弟のために嘘をついたり工作をしたりした事実は確認できませんでした。これ以上はちゃんとした文献を漁った方が良さそうです。
ただ、おそらく「サロメ」の狂気的な愛をメイベルに重ね、サロメのように愛や欲望のために手段を厭わない様子を描いたフィクションなのだろうと考えます。
理解が深まったし、勉強になって今回の記事は珍しく有意義でしたね♪笑


ところでもう一つだけ疑問があるのですが、結核で亡くなった著名人は何人もいると思いますが、
そのご家族も結核で亡くなった、という記載はあまり見かけなくないですか?
オーブリーも結核を患い、母や姉と一緒にいてめちゃくちゃ咳をしていたのに、家族も結核にかかって亡くなったかどうか書かれていません。絶対結核うつってるでしょ!咳めっちゃしてたでしょ!正直そこが一番気になってしまいました。
咳をしている人はマスクしようね!!!

それでは今回はこんな感じで!
お休みなさーいO o . (¦3[_____] Zzz…