本を読むとすぐに感化される人の読書記録

読んだ本の記録がなんとなく誰かの目に触れてほしい気がする。

そして、バトンは渡された

こんばんは〜

5月も中旬です!GWも終わったし、毎週ただ土日のお休みを待ちつつお仕事頑張っています。

いろいろ任せてもらえるようになってきたのでちょっと忙しくなってきました。

 

さて、今回は瀬尾まいこ著、

「そして、バトンは渡された」です。

 

最近は本屋大賞関連しか読んでいない気がする。これはなんと一年前の本屋大賞です。ちなみに積読は現在2冊ほどですが、今年の本屋大賞ノミネート作がもう一冊ほど控えています。

 

さてあらすじです、

主人公の優子は17歳、水戸から始まり、田中、泉ヶ原、そして森宮と名字が変わること4回。現在は東大を卒業し一流企業で働きながら、優子の父親もつとめる森宮さんと一緒に暮らしている。

血の繋がりのない大人たちの間をリレーのバトンのように渡る、その特殊な境遇の中でもこれといった不幸を感じることなく成長してきたが。。。

 

というお話です。

血の繋がった水戸を含めて3人の父親と、1人の母親がいる女子高生のお話ということですね。

 

話の流れとしては、森宮さんとの2人暮らしから始まり、これまでの歴代の親たちとの生活を思い返しながら高校生活を送るというもの。何度も名字が変わるとともに親とも分かれてきた優子の性格は淡々としているが、不器用であり友達や森宮さんともギクシャクしてしまう場面もあります。

 

優子の境遇や性格に、感情移入するのは難しく、最初からそれぞれの親について読者に説明してくれるわけではないので混乱することもありナンカ読みづらいなぁ、これが本屋大賞なのか。。。?と思ってしまいましたが、

お別れをしてきた親たちとの思い出を挟みながら森宮さんとの生活を送る流れに慣れてからは読みやすくなりました。

 

どの親からも愛され、少しずつ影響を与えられてきたものの、またいつ別れが来て名字が変わるのだろうと心のどこかで感じている優子と、父親としての役割を果たすべく真摯に向き合う森宮さん。

始業式の朝からカツ丼を作ったり、友達関係で悩む優子を励まそうと毎日餃子を作ったりとどこかずれているもののずっとこれから死ぬまで父親でいてくれる気でいてくれる。

別れのたびに淡々と受け入れて心を強くしてきた優子だったが、次第に彼と住む家が自分の居場所であり、失いたくないと思うようになります。

今までとは違い、次に名字が変わるときは、自分自身で変える時だ!と考えるようになることから、「名字が変わること」を特になんとも思っていなかったように見えてネガティブにとらえていたことや、これからは自分が結婚して相手の姓を名乗るまでは森宮でいられるんだ!という安心感が伝わってきました。

ずっと家族でいてくれる、という普通であれば当たり前の親子関係を、やっと手に入れることができました。

 

血が繋がりがないからこそ一生懸命に父親をしてくれる森宮さんのどこかずれた行動にふふっとなりながら、家族のあり方や親子という関係について考えさせられる作品だったなと思います。

最後は森宮さん目線で書かれており、めちゃくちゃ感動して泣きました。

タイトルについても伏線回収!って感じで最後の最後に重みを感じました。

読んでいる間は血の繋がりのない大人たちの間でバトンのように渡される優子を表していて、なんとなく表面的?薄っぺらい感じがしていたのですが、最後まで読んで、「そして、バトンは渡された」なのだなー!としみじみとしました。

 

できればこういう境遇でないほうがいいのは間違いないけど、フィクションとしては心温まる作品だったなぁと思いました。

 

おわり〜

また明日からお仕事がんばりましょー