本を読むとすぐに感化される人の読書記録

読んだ本の記録がなんとなく誰かの目に触れてほしい気がする。

レゾンデートル

こんにちは〜まりあです!

前回から少し時間が空いてしまいました。なんでかな?忙しかったかな?

 

さて今回は 知念実人 著「レゾンデートル」。

30歳代の男性、外科医。腹痛が出現し精査したところStageⅣの胃癌を宣告され、途方にくれる。

 

「自分は何のために生きてきたのか?」

 

酒浸りになり、ふらふらと酒を買い足しにコンビニへ出かけるとよくいるチンピラ2人に因縁をつけられて暴力を振るわれた。怒りに燃えた主人公は、この2人への復讐をはたそうとしたが、勢いで1人を殺してしまい、さらにそこからいろんな事件に巻き込まれる!

という話です。

知念実人は医師であり、医学知識とその知見を盛り込んだ作品が多いわけですが今回はこれでもか!とふんだんに盛り込んでいました。いつも「これ、一般の方にうけるのかな。。。?」と思いつつ読んでいますが、今回は特にソワソワしました。

ソワソワポイント①

医師だからこそ、自分の予後がわかってしまい過剰に落ち込んでしまった主人公。scirrhousだし化学療法やったって効果ないでしょ、と最初から諦めて仕事を休職し、受診すらしなくなる。

→知念実人自身がどう考えてるかわからないけど、実際の医師が描いた医師がこの反応は大丈夫か。。。?一般の人で、胃癌StageⅣの人がこれ読んだら「えっ化学療法効果ないの!?そんな予後短いの!?」と動揺してしまうのでないかと心配してしまいました。

主人公が自暴自棄になって殺人犯さないと物語が始まらないのはわかるんだけど、知識のない人が読んだら「化学療法は効果がないからやっても意味がない」みたいな極論として捉えかねないかなと。

だ、大丈夫ですよ!化学療法、効果のあるひとは効果ありますよ!!!!となぜか私がソワソワしました。

 

ソワソワポイント②

だんだんと弱っていき腹水もたぽたぽ、入院して経管栄養になった主人公。中心静脈にルートキープもしてあります。

が、クライマックスでヒロインを助けに行くために病院を出ないと行けなくなった主人公は胃管も中心静脈カテーテルも自己抜去!!

腹水たぷたぷのお腹にも無麻酔、エコーなしで腹水穿刺、そしてアルブミンを投与!!

そんなむちゃくちゃな!てか病院としてはめっちゃ迷惑!!と笑ってしまいました。いやもう自分でCVカテーテル抜くとこ想像したらソワソワして仕方なかったです。うわーソワソワというかなんかゾワゾワする。。。

 

ほかにもソワソワするポイントはいっぱいあったので、ぜひ医療関係の方達に読んで感想を聞きたいです。

 

ちなみにレゾンデートル、は

自身が信じる生きる理由、存在価値を意味するフランス語の「raison d'etre」をカタカナ表記した語。 他者の価値と比較して認められる存在価値ではなく、あくまで自己完結した価値を意味する。

末期癌を宣告されて、残された時間で自分の存在価値に向き合いながら死にむかっていく、この物語にぴったりなタイトルでした。

 

 

はぁ〜、6月もそろそろ終わってしまいますね。今月は読めてもう一冊だな〜。

それではまた!