本を読むとすぐに感化される人の読書記録

読んだ本の記録がなんとなく誰かの目に触れてほしい気がする。

コンビニ人間

こんばんは〜

3冊目になります。

村田沙耶香著 「コンビニ人間

36歳女性、未婚どころか恋をしたことすらない、世間の感覚とずれたコンビニ店員のお話。

なんとなく気になってamazonでポチった本ですが、まず届いて思ったのが、

薄い!!!

解説を入れても168ページしかない文庫本でした。本屋さんで見たことなかったからこんなに薄い本とは。設定モリモリのフィクションとかが好きなので、どうしてもこの薄さの本はあまり馴染みがなかったのでびっくりしました。

 

本の薄さとは裏腹に。内容は重〜い!

「36歳の女性で、結婚もせず、同じコンビニでアルバイトをしている」。

これを異質な人として扱う世界で、なんとか取り繕って生きている。

コンビニ店員として、ほかのコンビニ店員や店長と今日は暑いから冷たい飲み物が売れる、とか今週のセール商品を頑張って売り上げよう!などと会話し、うまく溶け込めていると思っていた主人公。

和気藹々としたほかの店員との会話のシーンになんの違和感も感じなかったところから、「主人公が心から普通の人間として溶け込めていると思っていた」ことが伝わりました。

しかし、ある日新しくバイトとして入ってきた男、白羽の登場で一転する主人公の環境。就職せず結婚せず家族や他人から金を借りては逃げ回り、自分を正当化して世間の自分への態度に悪態をつく男。ひょんなことからこの男を「家に置いて餌をやる」関係になる。

あらすじを読んだときは「今まで男に縁のなかった主人公が婚活目的に入った新たなバイトの男と恋仲になる」話かと思いきや!!

この男を家に置くことで「結婚もせずずっとアルバイトのコンビニ店員」という世間的に異質な存在から「同棲中の普通の男性と暮らしている女」になることができた主人公に対して、コンビニの店長やほかの店員の態度が一転した。

「白羽さんと付き合ってるんだって!?」「よかったね!」「今度飲み会で話を聞かせてよ〜!!」

ほかの店員が定期的に飲み会をしていたことも初めて知り、コンビニの売り上げに関することそっちのけで自分の「色恋沙汰(本人はただ男を家においてるだけで愛だの恋だの一切ない)」について話しかけてくることに戸惑いを隠せない。

ほかの店員が男を家に置き始めたことをきっかけに「普通の人間」として主人公を認識しているにもかかわらず、主人公は「コンビニ人間」として変わっていないから取り残され、「こっち側=普通の人間」を演じられていると思っていたのに、今までは「あっち側=世間的に異質な存在」でしかなかったことに気づく。

 

しかし世間の感覚からずれてるから、主人公がそのことでショックを受けることもなく淡々と受け入れるのでこちらも感情を揺さぶられることもなく微妙な気持ちになりましたが。。、

 

最後は、白羽に勧められてコンビニをやめて就活をしようとしていたところで立ち寄ったコンビニのいたるところが目につき自分は「普通の人間=就職と結婚をする女性」にはなれない、「コンビニでしか生きられないコンビニ人間」であることを再確認し就活をやめるところで終わっている。

むむ、これは。

ハッピーエンドではない。しかしバッドエンドでもないような。。。。

どちらでもないんだろうし、そういう話ではかいんだろうなぁ。

 

コンビニ店員としては無茶苦茶優秀な主人公を世間的に異質な存在として扱っているところから、

今の時代の「多様化しているようでそうでもない日本」を示しているこの小説。

あらすじに「現代の実存を軽やかに問う芥川賞受賞作」なんて書いているけど

実際問題全然軽くない。。。!!

特に「36歳で独身」を異質な存在として扱ってるところ。

たしかに私も50代結婚してない人とか見ると「え、あ、そうなんですね!」みたいに思うけど。。。

本人が良かったら結婚しなくても全然いいのにね。大きなお世話だよね。

誰にも迷惑かけてないのにね。

育てられないのにコドモを生んで虐待したり捨てたりするより全然いいのに。。。ってそこと比べてる時点で潜在的に「やはり結婚して子供を産み育てるのが普通」って思ってしまってる自分に気付かされますね。。。

だって生物として子孫を残そうとするのが普通のことだもんね。。。人間がどうというか生物として。。。、ボソボソ。。。

 

むむ。薄い本なのに、内容はそんなことなくて、色々考えさせられる本でした。

まとめるとすると、世間一般の普通を押し付けて、だれかを異質として扱い、「かわいそう!」とか「よくない!こうした方がいい!」とか口を出すのは余計なお世話で、いろんな人がいるんだな、と受け入れて生きられる社会になったらいいよね〜と思いました。

 

うわ、長くなったな。やっぱりこの本を読んでない人にもわかるように感想を書くのって大変だからある程度内容を説明しないといけなくて長くなりがち。

感想だけ誰かと共有したいんだけど、どうしたらいいのかなぁ〜。。。

とりあえずまた次の本を読んだら更新します〜おやすみなさい〜!